異界巡礼

BIZARRE JAPAN

名鑑忍野八海

S P O T / SPOT-278

土俗・奇祭

忍野八海

おしのはっかい

富士山北麓の忍野村にある8か所の湧泉群。富士山に降った雨や雪が溶岩層を二十数年かけて伏流し、抜群の透明度をもって地表に湧き出すもので、出口池・お釜池・底抜池・銚子池・湧池・濁池・鏡池・菖蒲池の八つの池から成る。1934年に国の天然記念物に指定され、2013年には世界文化遺産「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」の構成資産の一部として登録された。八つのうち離れた位置にある出口池は単独で北極星を、残る七つは北斗七星を象徴するともいわれ、富士講の道者が巡拝の前に身を清める「八海めぐり」の霊場でもあった。湧池に代表される深く澄んだ碧色の水底は、信仰と自然が一体化した独特の景観をつくる。

忍野八海
Wikimedia Commons / 663highland / CC BY-SA 4.0

H I G H L I G H T S

見どころ

  • 01富士山の伏流水が湧く、底まで見通せる抜群の透明度と碧色の水
  • 02湧池の水中を覗き込むと地底へ続く溶岩洞窟が見える神秘的な造形
  • 03出口池=北極星、他七池=北斗七星に擬えられる星座状の配置と霊場性
  • 04富士講の道者が巡拝前に身を清めた『八海めぐり』の信仰の場という文脈

A C C E S S / M E T A

基本情報

所在地
山梨県 南都留郡忍野村
住所
〒401-0511 山梨県南都留郡忍野村忍草
拝観料
無料(八海の散策は自由。底抜池のある『榛の木林資料館』のみ有料)
時間
散策自由(資料館等は施設ごとに営業時間あり)
状態
現存(国指定天然記念物・世界文化遺産構成資産)
亀山から
車で約3時間(新名神・東名・中央道経由、富士吉田・河口湖方面)。鉄道なら名古屋→富士急行線富士山駅→バスで約20分。富士山観光と合わせる遠方スポット。
最寄駅
富士急行線「富士山駅」(バス乗継)
徒歩
5分
駐車場
あり・周辺有料駐車場複数(観光シーズンは満車・待ち発生)
所要
1〜2時間

D E E P D I V E

深掘り

歴史

歴史

忍野八海の湧水は、富士山に降った雨や雪が溶岩でできた山肌に浸み込み、二十数年の時を経て地表に湧き出すと考えられている。忍野村役場 かつてこの地には「宇津湖(うつこ)」という湖があり、富士山の噴火活動などを経て干上がる過程で、現在の八つの湧泉が残ったとされる。忍野八海 - Wikipedia 八海は古くから富士信仰(富士講)と結びつき、道者が富士登拝の前に湧水で身を清める巡拝地として整えられた。1934年(昭和9年)に国の天然記念物に指定され、2013年には世界文化遺産「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」の構成資産の一部として登録されている。忍野村役場(構成資産)

文化的背景

文化的背景

八海はそれぞれに名と由緒を持ち、出口池・お釜池・底抜池・銚子池・湧池・濁池・鏡池・菖蒲池から成る。中でも出口池は他の池から離れて単独に位置し、北極星を象徴するとされ、残る七つの池は北斗七星に擬えられるという伝承がある。忍野八海 - Wikipedia これは富士講の巡拝順路や星辰信仰と結びついたもので、八海めぐりは単なる水巡りではなく、富士登拝の前段としての禊(みそぎ)と巡礼の意味をもっていた。民俗学的には、富士山の伏流水という自然現象と、富士信仰という宗教実践が一つの景観に重なり合っている点に大きな意義がある。忍野村役場

地元視点

地元視点

忍野村は八海を世界文化遺産の構成資産として保全し、後世へ継承する取り組みを進めている。忍野村役場(構成資産) 一方で観光地化が進み、湧池周辺は土産物店や食事処が並ぶ人気スポットとなっており、近年はオーバーツーリズム的な混雑や水質保全への配慮も課題として語られる。村は湧水群の保護と観光の両立を目指し、案内・整備を行っている。山梨県公式観光ネット

ベストシーズン

ベストシーズン

通年。湧水の碧色が映える晴天の午前中が見頃。冬は雪化粧の富士山を背景にでき、人出も比較的少ない。新緑・紅葉期も美しいが、休日は混雑する。

撮影のコツ

撮影のコツ

湧池では水面に寄り、水底の溶岩洞窟と碧色の透明度を真上から狙うと神秘性が出る。背景に富士山を入れるなら冬の快晴午前が好機。早朝は観光客が少なく水面が穏やかでリフレクションも狙える。私有地・店舗敷地に立ち入らない範囲で撮影する。

注意事項

注意事項

池への投げ込み(賽銭・ゴミ等)は水質・景観を損なうため厳禁。柵を越えて水際に立ち入らない。世界遺産・天然記念物のため動植物の採取不可。休日・観光シーズンは大変混雑し、駐車場待ちが発生する。

関連作品

関連作品

  • - 富士講・富士信仰関連の絵図・道中記 — 八海めぐりを富士登拝の前段とする巡拝文化を伝える。忍野村役場
  • - 世界文化遺産『富士山-信仰の対象と芸術の源泉』の構成資産群 — 忍野八海はその一部として登録されている。忍野村役場(構成資産)

トリビア

トリビア

  • - 八海は出口池・お釜池・底抜池・銚子池・湧池・濁池・鏡池・菖蒲池の八つ。
  • - 出口池だけが離れて位置し、北極星を、他七池が北斗七星を象徴するとされる。
  • - 湧水は富士山の雨雪が二十数年かけて湧き出したものと考えられている。
  • - 1934年に国の天然記念物、2013年に世界文化遺産構成資産に登録。

外部レビュー

外部レビュー

出典

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