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名鑑鳳来寺山

S P O T / SPOT-164

土俗・奇祭

鳳来寺山

ほうらいじさんHōraiji-san (Mt. Hōraiji)

愛知県新城市にそびえる標高695mの霊山。大宝3年(703年)、利修仙人による開山と伝わる真言宗五智教団総本山・鳳来寺を擁し、古くから薬師信仰と山岳修験道の聖地として栄えた。表参道に続く1,425段の石段は源頼朝の寄進と伝えられ、樹齢800年の傘杉(新・日本名木百選)が聳える。江戸時代には徳川家康の誕生縁起(家康の父母が当寺に子宝を祈願)により幕府の庇護を受け、3代将軍家光が建立した鳳来山東照宮(国重要文化財)を有する。愛知県の県鳥コノハズクが棲息し「声の仏法僧(ブッポウソウ)」として古来信仰の対象でもある。国の名勝・天然記念物。

N O P H O T O

H I G H L I G H T S

見どころ

  • 011,425段の石段と樹齢800年の傘杉——源頼朝寄進の参道を体感する山岳霊場巡り
  • 02徳川家康誕生縁起の地・鳳来山東照宮(国重要文化財)——日光・久能山と並ぶ三大東照宮の一つに数えられる
  • 03コノハズクの鳴き声「ブッポウソウ(仏法僧)」——近代まで霊鳥として信仰され、1935年のNHKラジオ生中継が謎を解いた

A C C E S S / M E T A

基本情報

所在地
愛知県 新城市
住所
〒441-1742 愛知県新城市門谷字鳳来寺4(鳳来寺)
拝観料
山域・参道:無料。鳳来山東照宮:拝観料400円(不確かな情報、要事前確認)。山頂駐車場(鳳来寺山パークウェイ):有料
時間
境内自由(日の出〜日没を目安、冬季短縮あり)
状態
現存
亀山から
車で約2時間30分(東名阪→伊勢湾岸→東名豊川IC→国道151号北上、または新東名新城IC経由)

D E E P D I V E

深掘り

歴史

歴史

鳳来寺山の開山は大宝3年(703年)、利修仙人(りしゅうせんにん)によるとされる。Wikipedia日本語版「鳳来寺山」によれば、利修は欽明天皇31年(570年)に山城国に生まれ、百済に渡って仏法を学び、天武天皇元年(672年)にこの地へ入山、千寿峯・万寿坂で修道したと伝えられる。大宝元年(701年)に文武天皇が病に倒れた際、利修仙人が鳳凰に乗って都へ昇り7日間の加持祈祷を行って天皇を快癒させた。その御礼として大宝3年(703年)に伽藍が建立され、「鳳凰に乗って来た」ことから「鳳来寺」の名を賜ったとされる。山中の霊木7本杉のうち1本から本尊・薬師如来を彫刻したと伝わる。源頼朝は伊豆への流刑中に殺生禁断の地を頼って寺坊・医王院に匿われ、後に鳳来寺を再興、参道石段も頼朝の寄進と伝えられる(鳳来寺山 Wikipedia)。江戸時代には徳川家康の父母(松平広忠・於大の方)が世継ぎを求めて当寺に祈願し家康を授かったとの縁起により、3代将軍家光が慶安3年(1650年)に鳳来山東照宮の建立を命じ、慶安4年(1651年)に家綱の代に竣成した。この縁起のもとで幕府の手厚い保護を受け、21院坊・寺領1,350石を誇った。明治維新後に急速に衰微し、本堂は大正3年(1914年)に焼失。昭和49年(1974年)に再建された。国の名勝・天然記念物指定は昭和6年(1931年)。文化財ナビ愛知

文化的背景

文化的背景

鳳来寺山は「峰の薬師」とも呼ばれる薬師信仰の霊場であると同時に、古くから山岳修験道の修練地でもあった。奥ノ院が修験者の修行場として機能し、山中には利修仙人の入定岩窟(勝岳不動堂)が残る。仏法僧(ブッポウソウ)信仰は、「ブッポウソウ」と鳴く霊鳥を仏・法・僧の三宝を告げる神鳥として崇める信仰であり、高野山・比叡山など密教聖地にも共通するが、鳳来寺山はその代表的な聖地として全国に知られてきた。1935年(昭和10年)6月7〜8日、NHK名古屋放送局がこの鳴き声をラジオで全国生中継したことを契機に、声の主がコノハズク(日本最小のフクロウ)であることが判明。以来コノハズクを「声の仏法僧」、本来のブッポウソウを「姿の仏法僧」と呼び分けるようになった(鳳来寺山 Wikipedia毎日新聞「山は博物館」)。松尾芭蕉も元禄4年(1691年)に参詣し「こがらしに岩ふきとがる杉間かな」の句を残している。

地元視点

地元視点

鳳来寺山自然科学博物館(山麓)はコノハズクの生態保護と普及活動を続けており、門谷地区の「二十一世紀委員会」はコノハズクを山へ呼び戻す取組みを実施してきた(門谷ブッポウソウ情報)。1999年に15年ぶりに鳴き声が確認されるなど、地元の環境整備努力が継続している。観光的には毎年11月23日に多くの登山客が訪れ、豊鉄バスの臨時増便が設定される。鳳来寺は真言宗五智教団総本山として現在も宗教的機能を保ち、薬師如来への参拝が続く。

ベストシーズン

ベストシーズン

11月(紅葉期)が最も混雑する人気シーズン。コノハズクの鳴き声を聞くなら5〜8月の晴れた夜(東照宮・地獄谷付近)。桜の季節(4月上旬)もよい。1,425段の石段を登る場合は朝早め出発が望ましい。

撮影のコツ

撮影のコツ

仁王門前の石段と大杉の組み合わせが定番構図。傘杉は樹高60mを超えるため、石段から仰ぎ見るアングルが効果的。東照宮は彫刻細部が精緻なので、望遠レンズで欄間・彫刻を切り取ると質感が伝わる。紅葉期は逆光を活かした透過光の紅葉撮影が向く。

注意事項

注意事項

1,425段の石段は滑りやすく、特に雨天後・落葉期は注意。山頂駐車場(パークウェイ)は有料。東照宮・鳳来寺本堂の撮影は境内案内に従うこと。コノハズクは野鳥保護対象のため、夜間の観察時は懐中電灯や大声で驚かせないこと。公共交通バスは本数が少なく、日曜・祝日は運休便あり。

関連作品

関連作品

  • - 『鳳来寺山』(Wikipedia日本語版、https://ja.wikipedia.org/wiki/鳳来寺山)
  • - 文化財ナビ愛知「鳳来寺山」(国指定名勝・天然記念物、指定S6.7.31)
  • - 梅村甚太郎『佛法僧漫錄』(1935年、コノハズク正体解明の史料)
  • - 若山牧水「仏法僧仏法僧と鳴く鳥の声を まねつ飲める酒かも」(大正12年詠)
  • - 松尾芭蕉「こがらしに岩ふきとがる杉間かな」(元禄4年詠)
  • - 歌川広重『六十余州名所図会 鳳来寺山巌』(江戸時代浮世絵)
  • - 全国観光資源台帳(公財日本交通公社)「鳳来寺山」(https://tabi.jtb.or.jp/res/230029-)

トリビア

トリビア

  • - 1935年6月7〜8日のNHKラジオ生中継は日本鳥学史上最大の事件の一つ。東京・浅草の傘店主が飼っていたコノハズクが同じ鳴き声をしていたことが解明の決め手となった(Wikipedia)。
  • - 利修仙人には3匹の鬼(赤・青・黒)が仕え、仙人入定の際に首を切って本堂下に埋め、鳳来寺の守り神としたとの伝説がある。
  • - 元和6年(1620年)と慶安年間に鬼の骨が確認されたとされる記録が残る(不確かな情報)。
  • - 参道石段は「俗に1,425段」と呼ばれるが、Wikipedia記事内では「石段頂上(1,415段目)」との記述もあり、数え方によって差がある。

外部レビュー

外部レビュー

出典

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