異界巡礼

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祭暦答志島 八幡祭(神祭)

F E S T I V A L / FEST-244

土俗・奇祭

答志島 八幡祭(神祭)

とうしじま はちまんさい

斎 行2026-02-142026-02-15

伊勢湾最大の離島・答志島で旧暦正月に行われる八幡神社の祭礼で、地元では『神祭(じんさい)』と呼ぶ。最大の見どころは弓引神事と、それに続く『お的』をめぐる墨の奪い合いである。『お的衆』と呼ばれる若衆が、畳一枚半ほどの墨を塗った大的を担いで石垣の坂を駆け上がると、待ち構えた町民が次々と飛びかかり墨紙を奪い合う。奪った墨で家の戸口・神棚・船に八幡神社の神紋『マルハチ(丸に八の字)』を書き、大漁・家内安全・海上安全を祈願する。答志町には『○八』マークが家・店・学校にまで描かれ、島全体が祭の記憶を帯びる。中学卒業から結婚まで若者が寝屋親の家で共同生活する日本最後の『寝屋子(ねやこ)制度』が残る島で、若衆を主役とするこの祭はその共同体文化と分かちがたく結びついている。

答志島 八幡祭(神祭)
出典: 観光三重(公益社団法人三重県観光連盟)(https://www.kankomie.or.jp/event/41608)※掲載許諾申請中

H I G H L I G H T S

見どころ

  • 01墨を塗った『お的』を担いだお的衆が石垣の坂を駆け上がり、町民が墨紙を奪い合う激しい墨の奪い合い
  • 02奪った墨で家の戸・神棚・船に書く八幡神社の神紋『マルハチ(○八)』が島中に残る
  • 03日本最後の若衆宿『寝屋子制度』が残る島で、若衆が主役を務める共同体の祭

A C C E S S / M E T A

基本情報

所在地
三重県 鳥羽市
斎行
八幡神社(鳥羽市答志町・答志地区/和具地区)
日程
2026-02-14 〜 2026-02-15
周期
毎年旧暦1月17〜19日(新暦では2月頃。観光協会告知の確定日に従う)
起源
八幡神社の祭礼『神祭』として旧暦正月に行われ、その年の大漁・家内安全・海上安全を祈願する。中心となる弓引神事は、墨を塗った大的を弓で射て豊漁・除災を占い祈る神事に由来するとされる。射られた的の墨には魔除け・福徳の力が宿ると信じられ、町民が墨を奪い合い、家の戸や船に八幡神社の神紋『マルハチ』を書き付ける風習が生まれた。炭(消炭)と布海苔で練り上げた墨を用いるのが答志の特徴で、この墨印が島の家々・店・船に今も色濃く残る。若衆(お的衆)が主役を担う点は、島に伝わる『寝屋子制度』という若者育成の共同体慣行と深く結びつき、祭は世代をつなぐ通過儀礼的な性格も帯びている。
観覧
会場は答志島の八幡神社周辺(答志地区)と和具地区。鳥羽マリンターミナル(佐田浜港)から市営定期船で約25分、答志港下船後は徒歩約5分。車は佐田浜の有料駐車場に置き、徒歩+定期船で渡る。開催は旧暦1月17〜19日で新暦の日付は年ごとに動くため、必ず鳥羽市観光商工課(0599-25-1157)や鳥羽市観光協会の告知で確定日を確認すること。墨の奪い合いは至近で墨が飛ぶため、汚れてもよい服装・防寒必須。狭い坂・石垣で混雑し激しく揉み合うので、見物位置と安全に注意。歌舞伎(忠臣蔵)の奉納や獅子舞も行われる。
最寄駅
近鉄・JR「鳥羽駅」→鳥羽マリンターミナル(佐田浜港)から市営定期船
徒歩
5分
駐車場
佐田浜駐車場(鳥羽・有料)。島内は車不可前提、定期船で渡る。

D E E P D I V E

深掘り

歴史

歴史

答志島の八幡祭は、八幡神社の祭礼『神祭』として旧暦1月17〜19日の3日間にわたって行われる男の祭である(離島経済新聞)。初日は和具地区、残り2日間は答志地区の八幡神社などを舞台とする。中心の弓引神事では、墨を塗った『お的』を弓で射て一年の大漁・家内安全・海上安全を占い祈る。射た後はお的衆と呼ばれる若者が大的を担いで坂を駆け上がり、町民が墨紙を奪い合う(観光三重)。新暦の開催日は年により動き、2026年は2月14日(土)〜15日(日)と告知されている(観光三重)。

文化的背景

文化的背景

奪い合った墨で家の戸口・神棚・船に八幡神社の神紋『マルハチ(○の中に八)』を書くと魔除け・大漁・家内安全がかなうと信じられ、答志町には『○八』印が家・店・工場・学校にまで描かれている(離島経済新聞)。炭と布海苔で練った墨を用いるのが答志の特色で、墨印は島の景観そのものを宗教的記号で覆う独特の民俗景観を生んでいる。若衆が主役を担う構造は、島に残る若者育成慣行と不可分である。

地元視点

地元視点

答志島には、中学卒業後の男子が結婚まで『寝屋親』の家で寝起きをともにする日本最後の『寝屋子(ねやこ)制度』が残り、地域が人を育て人が地域を育てる共同体文化として知られる(鳥羽市・寝屋子制度資料寝屋子制度 - Wikipedia)。八幡祭で大的を担ぎ墨を奪い合う『お的衆』はこの若衆組織と重なり、祭は単なる年中行事を超えて、島の若者が一人前として認められていく通過儀礼的・共同体的な意味を帯びている。漁師町ならではの大漁祈願と結びつき、島民総出で受け継がれている。

ベストシーズン

ベストシーズン

旧暦1月17〜19日(新暦2月頃)。2026年は2月14〜15日の告知。弓引神事と墨の奪い合いがクライマックスで、観光三重・鳥羽市観光協会で確定日と時間を確認のうえ訪れるのが確実。

撮影のコツ

撮影のコツ

石垣の坂をお的衆が大的を担いで駆け上がり町民が墨紙に飛びかかる瞬間が最大の見せ場。狭い坂で墨が飛び散るため、望遠+防滴対策が有利。島の家々・船に書かれた『マルハチ』印も島ならではの被写体。定期船からの島景や寝屋子文化の集落路地も合わせて。

注意事項

注意事項

墨が至近で飛ぶため汚れてもよい服装・防寒が必須。狭い坂・石垣で激しく揉み合うので見物位置と転倒・接触に注意。離島のため定期船の時刻に合わせた行程が必要で、開催日は旧暦基準で年ごとに動く。漁業集落の生活の場で行われる神事であり、住民・神事への敬意を払い、立入禁止区域や指示に従う。

出典

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