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祭暦上州白久保のお茶講

F E S T I V A L / FEST-212

土俗・奇祭

上州白久保のお茶講

じょうしゅうしろくぼのおちゃこう

斎 行2026-02-24

上州白久保のお茶講は、群馬県中之条町五反田の「お茶講の家」で毎年2月24日に行われる、中世の闘茶(とうちゃ=茶の飲み当て遊び)の形式を色濃く残す行事で、1990年に国の重要無形民俗文化財に指定されている。渋茶(煎茶)・甘茶・陳皮(みかんの皮を干したもの)を焙烙で煎って粉にし、配合を変えて「一ノ茶」「二ノ茶」「三ノ茶」「客(きゃく)」の四種のブレンド茶を仕立てる。参加者は名前の代わりに「花・鳥・風・月」などの符号を与えられ、順不同で出される七服の茶を飲んでその銘を当てる。全問正解者(ハナカツギ)が多い年や、逆に全く当たらない者が多い年は豊作になるとされ、勝負そのものが一種の年占いになっている点が珍しい。寛政11年(1799年)の「御茶香覚帳」と同じ記録方法が今も用いられ、闘茶の生きた化石ともいえる行事である。

上州白久保のお茶講(一ノ茶・二ノ茶・三ノ茶・客の茶包み)
出典: 中之条ビエンナーレ(https://nakanojo-biennale.com/blog/13272)※掲載許諾申請中

H I G H L I G H T S

見どころ

  • 01渋茶・甘茶・陳皮を煎って粉にし配合した四種のブレンド茶(一ノ茶・二ノ茶・三ノ茶・客)を飲み当てる
  • 02参加者が「花・鳥・風・月」などの符号で呼ばれ、七服を飲んで銘を当てる中世闘茶の所作
  • 03正解者が多い年・全く当たらない者が多い年はともに豊作とされる「年占い」性
  • 04寛政11年(1799年)と同じ記録方法を今に伝える、闘茶の生きた化石

A C C E S S / M E T A

基本情報

所在地
群馬県 吾妻郡中之条町
斎行
白久保天満宮(宵祭りとして開催・会場は「お茶講の家」)
日程
2026-02-24
周期
毎年2月24日(白久保天満宮祭礼の宵祭り・固定)
起源
茶の産地や種類を飲み分けて優劣を競う「闘茶(茶勝負)」は、14世紀中頃から武士の間で流行した遊興で、本来は賭けを伴うこともあった。白久保のお茶講はその形式を村の年中行事として土着化させたもので、いつ始まったかは定かでないが、寛政11年(1799年)の「御茶香覚帳」の記録方式が現在の記録と一致することから、少なくとも江戸後期には確立していたことがわかる。白久保天満宮の祭礼の宵祭りとして営まれ、茶を当てる勝負を通じてその年の作柄を占い、五穀豊穣と豊作を祈願する。茶文化の中心であった上方や寺社の闘茶が衰退・変質するなか、山間の小集落で素朴な飲み当ての形のまま伝えられてきた点に大きな民俗的価値があり、全国でも数少ない貴重な闘茶系行事として国の重要無形民俗文化財に指定された。
観覧
開催は毎年2月24日、会場は中之条町五反田の「お茶講の家」(茅葺の古民家)。国指定重要無形民俗文化財で、地元の白久保お茶講保存会が運営する。一般の見学は可能だが、実際に飲み当てに参加する体験は事前予約が必要(白久保お茶講保存会 0279-75-0441)。真冬の山間部で会場周辺は積雪・冷え込みが厳しいため、防寒・雪道対策と運転に注意。静かに茶を味わい当てる行事のため、進行を妨げない節度ある見学を。
最寄駅
JR吾妻線「中之条駅」
駐車場
会場周辺に駐車スペースあり(冬期は積雪・凍結に注意)

D E E P D I V E

深掘り

歴史

歴史

上州白久保のお茶講は、群馬県中之条町(旧赤城村域)白久保に伝わる闘茶系の年中行事で、1990年(平成2年)3月29日に国の重要無形民俗文化財に指定された。文化遺産オンライン(文化庁)によれば四種の茶を飲み分ける行事で、起源年代は明確でないが、中之条町は寛政11年(1799年)の「御茶香覚帳」の記録方法が現在と同じであることから古くからの継承を伝える。会場は五反田の「お茶講の家」と呼ばれる古民家で、白久保天満宮の祭礼の宵祭りとして毎年2月24日に営まれる。

文化的背景

文化的背景

闘茶は14世紀中頃から武士の間で流行した、茶の産地・種類を飲み分けて競う遊興で、本来は賭けを伴った。白久保のお茶講はこれを村の信仰行事へと土着化させたもので、旅マガジンによれば渋茶(煎茶)・甘茶・陳皮を焙烙で煎って粉にし、配合を変えた一ノ茶・二ノ茶・三ノ茶・客の四種を仕立て、参加者は順不同で七服を飲んで銘を当てる。参加者には「花・鳥・風・月」などの符号が与えられる。全問正解者が多い年も、まったく当たらない者が多い年も豊作とされ、勝負が年占いとして機能する点に、闘茶が農耕儀礼へ変質した独特の文化文脈が見える。

地元視点

地元視点

白久保お茶講保存会が担い手となり、茅葺の「お茶講の家」を舞台に継承している。日本伝統文化振興機構(JTCO)は本行事を全国でも数少ない貴重な民俗行事として紹介する。茶葉を煎るところから石臼で挽き、配合・小分けまで地域の手作業で行われ、近年は中之条ビエンナーレなどを通じて外部にも体験の機会が開かれている。過疎・高齢化のなかでも、年占いと結びついた飲み当ての形を崩さずに守ってきた点が地元の誇りとなっている。

ベストシーズン

ベストシーズン

開催日は毎年2月24日のみ。茶を煎り、挽き、ブレンドする準備から飲み当て本番まで通しで見たい場合は、保存会の案内に従い早めに会場へ。体験参加は事前予約(0279-75-0441)が必須。

撮影のコツ

撮影のコツ

焙烙で茶を煎る所作、石臼で挽く様子、「一ノ茶・二ノ茶・三ノ茶・客」と墨書された茶包みが並ぶ場面が見せ場で、行事の珍しさが一目で伝わる。室内・自然光中心のため明るいレンズが有利。茶を当てる集中した参加者の手元・表情も画になる。フラッシュや進行の妨げは避ける。

注意事項

注意事項

2月下旬の山間部開催で会場周辺は積雪・凍結・冷え込みが厳しい。防寒・滑りにくい靴・雪道運転の備えを。体験は要予約。静かに茶を味わい当てる行事のため、見学は私語を控え進行を妨げないこと。古民家・展示物には不用意に触れない。

出典

出典