F E S T I V A L / FEST-188
シャンシャン馬道中
しゃんしゃんうまどうちゅう
宮崎県日南市・鵜戸神宮に伝わる新婚参詣の古俗「シャンシャン馬」を再現する民俗行事。江戸中期から明治末期にかけて、結婚した夫婦が花嫁を着飾った馬に乗せ、花婿が手綱を引いて青島方面から「七浦七峠」と呼ばれた日南海岸の難路を越え、安産・縁結びの神として知られる鵜戸神宮へ参拝した風習に由来する。「シャンシャン」とは馬の首に掛けた鈴が鳴る音を写した擬音で、晴れ着の花嫁・朱色の飾り鞍・房飾り・鈴という華やかな装いそのものが見どころとなる。風習は近代に廃れたが、現在は鵜戸神宮の春の縁日大祭にあわせ、シャンシャン馬道中唄全国大会の決勝と並んで巡行の再現が観光行事として行われ、当時の婚礼参詣の情景がよみがえる。

H I G H L I G H T S
見どころ
- 01首に鈴を掛け朱色の飾り鞍・房飾りで着飾った馬に、晴れ着姿の花嫁が横乗りする華やかな婚礼装束の巡行
- 02花婿(手綱取り)と供の者が馬を曳いて進む、明治以前の新婚参詣の情景の再現
- 03「七浦七峠」と称された日南海岸の難路を越えて鵜戸神宮へ向かう道行きのモチーフ
- 04鈴の音「シャンシャン」をそのまま名に冠した民謡『シャンシャン馬道中唄』の全国大会と一体の行事構成
A C C E S S / M E T A
基本情報
- 所在地
- 宮崎県 日南市
- 斎行
- 鵜戸神宮
- 日程
- 2026-03-29
- 周期
- 毎年3月最終土曜の春の縁日大祭の翌日(日曜)。シャンシャン馬道中唄全国大会決勝と同日に再現行事を実施。
- 起源
- シャンシャン馬は、江戸時代中期から明治の終わり頃まで日南海岸一帯で行われた新婚旅行の風習に起源する。結ばれた夫婦が、花嫁を晴れ着で着飾らせて鈴付きの飾り馬に乗せ、花婿が手綱を引いて青島から鵜戸神宮までの「七浦七峠」と呼ばれる険しい海岸路を越え、安産・縁結び・夫婦円満の神として崇敬された鵜戸神宮へ参拝した。一泊した宿で花嫁が晴れ着に着替え、参拝後にわが家へ帰るまでの道中の情景は、のちに民謡『シャンシャン馬道中唄』に歌い込まれた。近代化とともに風習自体は廃れたが、その名残として鵜戸神宮の春の大祭にあわせた再現行事と、宮崎神宮大祭の余興としての巡行が今日に伝えられている。
- 観覧
- 鵜戸神宮の春の縁日大祭は令和8年は3月28日(土)、シャンシャン馬道中の再現はその翌日3月29日(日・3月末の日曜)に行われる。会場は鵜戸神宮の参道・周辺で、沿道での見物は自由・無料。境内拝観も無料(開門6:00〜18:00)。鉄道駅から遠く公共交通の便が限られるため、宮崎市内・宮崎空港方面から車かバスでのアクセスが現実的。大祭・全国大会と重なる日は参拝者で混雑し駐車場(無料・約400台)も埋まりやすいので早めの到着が無難。巡行は屋外・海岸沿いで風が強い日もあり、防風・歩きやすい靴を推奨。再現行事の有無・時刻は年により変わるため、鵜戸神宮または日南市観光協会で事前確認のこと。
- 最寄駅
- JR日南線「伊比井駅」または「油津駅」(いずれも遠く、バス・車推奨)
- 徒歩
- 10分
- 駐車場
- あり・無料・約400台(大祭・全国大会の日は満車になりやすい)
D E E P D I V E
深掘り
歴史
歴史
シャンシャン馬は、江戸時代中期から明治の終わり頃まで日南海岸地域で行われた新婚参詣(当時の新婚旅行)の風習である。鵜戸神宮公式の解説によれば、花嫁を馬に乗せ花婿が手綱をとって鵜戸神宮へ向かい、宮詣りをして家路につく旅で、「シャンシャン」は馬の首に掛けた鈴の音を表すとされる(ご神徳・風習 – 鵜戸神宮(公式))。道中は「七浦七峠」と呼ばれる険しい海岸路で、その情景は民謡『シャンシャン馬道中唄』に歌い込まれた。風習は近代化とともに廃れたが、現在は鵜戸神宮の春の縁日大祭にあわせた再現行事や民謡大会として残り、宮崎神宮大祭の余興としても巡行が伝えられている(鵜戸神宮 - Wikipedia)。Wikipediaは再現行事を「毎年3月末の日曜日」と記す。
文化的背景
文化的背景
本行事は『動物の祭』としての側面と『民俗・婚礼儀礼の再現』としての側面を併せ持つ。装いの主役は鈴と朱の飾り鞍・房飾りで着飾った馬であり、その視覚的奇観は明確に『動物』要素だが、行事の本質は鵜戸神宮を縁結び・安産・夫婦円満の聖地とする信仰に基づく婚礼参詣の民俗である。鵜戸神宮は海食洞内に本殿を構える全国でも珍しい『下り宮』で、運玉投げの神事とともに縁起の社として知られる(鵜戸神宮 | みやざき観光ナビ)。馬の装飾そのものより『廃れた婚礼の旅を地域が再現・継承する』点に文化財的意義があるため、本カタログでは category を animal ではなく folk と判定した。
地元視点
地元視点
地元では、シャンシャン馬は鵜戸神宮参詣文化の象徴として観光行事化されており、民謡『シャンシャン馬道中唄』の全国大会(日南市観光協会主催)が長年継続して開催され、令和期には第39回・第40回と回を重ねている(シャンシャン馬道中唄全国大会 | 全国観るなび)。大会決勝と道中再現は鵜戸神宮の春の大祭と一体で運営され、地域の春の風物詩として定着している。鵜戸神宮公式の年間行事でも『シャンシャン馬道中唄全国大会決勝・シャンシャン馬道中再現』が春季行事として明記されている(ご神事・年間行事 – 鵜戸神宮(公式))。
ベストシーズン
ベストシーズン
令和8年は春の縁日大祭が3月28日(土)、シャンシャン馬道中再現がその翌日3月29日(日)。再現巡行は日中に行われるため、午前中に現地入りして参道・沿道で待つのが確実。春の海岸沿いで天候が変わりやすいので晴天日を選ぶとよい。
撮影のコツ
撮影のコツ
主役は『鈴・朱の飾り鞍・房飾りで着飾った馬+晴れ着の花嫁』。馬の正面〜斜め前から、鈴と顔まわりの飾り、花嫁の晴れ着が一枚に収まる構図が王道。手綱を引く花婿役と曳き手を入れると『道中』の物語性が出る。海・断崖・朱塗りの社殿を背景に取り込むと鵜戸神宮らしさが際立つ。巡行は動くため連写と低速シャッターでの流し撮りの両構えが有効。参拝者が多い日は望遠で人垣越しに馬上の花嫁を抜く。
注意事項
注意事項
再現行事は観光行事であり毎年必ず同形態で行われるとは限らない(馬の手配・天候・運営事情で内容が変わりうる)。実施日時・有無は鵜戸神宮または日南市観光協会で事前確認すること。巡行路は車道・海岸沿いを含むため、撮影時も交通と進行の妨げにならない位置を厳守。馬を驚かせる接近・フラッシュ・大声は避ける。大祭日は混雑・駐車場満車になりやすい。
出典