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名鑑花の木三尊磨崖仏

S P O T / SPOT-339

土俗・奇祭

花の木三尊磨崖仏

はなのきさんぞんまがいぶつ

伊賀市大内の旧花の木地区、岩根川沿いの花崗岩の自然石(幅約8m・奥行約7m・高さ約3m)の南面に彫られた三尊磨崖仏。徳治元年(1306年)の銘をもち、三重県指定有形文化財。向かって右から釈迦如来(施無畏与願印)、中央に阿弥陀如来(来迎印)、左に錫杖と宝珠を持つ地蔵菩薩が厚肉彫りで並び、各尊の脇には蓮花を挿した宝瓶が添えられる。地蔵の下方には合掌する小坐像も刻まれる。元応元年(1319年)の柳生地蔵などに先行する作例で、伊賀の中世石仏のなかでも年代が確かで古い、重要な磨崖仏とされる。かつての花の木小学校(統合により改称)の外周から小径を入った山中に静かに残る。

花の木三尊磨崖仏
出典: 三重の石仏をめぐる冒険(https://blog1.hessroom.com/2014/10/17/%e5%b2%a9%e6%a0%b9%e3%81%ae%e7%a3%a8%e5%b4%96%e4%bb%8f%e8%8a%b1%e3%81%ae%e6%9c%a8%e4%b8%89%e5%b0%8a%e7%a3%a8%e5%b4%96%e4%bb%8f%e3%80%80%e4%bc%8a%e8%b3%80%e5%b8%82%e5%a4%a7%e5%86%85/)※掲載許諾申請中

H I G H L I G H T S

見どころ

  • 01幅約8mの巨大な花崗岩の岩肌に厚肉彫りで並ぶ釈迦・阿弥陀・地蔵の三尊立像
  • 02徳治元年(1306年)という確かな紀年銘をもつ、伊賀でも古い時期の磨崖仏
  • 03各尊脇の宝瓶(蓮花挿し)や地蔵下の合掌小坐像といった細部の作り込み

A C C E S S / M E T A

基本情報

所在地
三重県 伊賀市
住所
三重県伊賀市大内(旧花の木地区、岩根川沿い)
拝観料
無料
時間
見学自由(屋外・常時)
状態
現存(三重県指定有形文化財)
亀山から
車で約40分(名阪国道で伊賀方面、大内IC周辺へ。現地は山中の小径の奥)。鉄道は近鉄・伊賀鉄道で伊賀方面へ出てから車・タクシー。
最寄駅
近鉄・伊賀鉄道で伊賀方面(現地までは車・タクシー)
駐車場
専用駐車場は明確でない(現地確認)
所要
30分〜1時間

D E E P D I V E

深掘り

歴史

歴史

花の木三尊磨崖仏(岩根の磨崖仏)は、伊賀市大内の旧花の木地区にある花崗岩の自然石の南面に彫られた磨崖仏で、徳治元年(1306年)の紀年銘をもつ。石仏研究のフィールド記録によれば、銘文には「徳治第一年」および願主の名(沙弥六阿弥)が記され、鎌倉時代後期の作とされる。岩塊は幅約8m・奥行約7m・高さ約3mの大きさで、彫刻の枠寸法は幅221cm・高さ148cmの隅切り形式。向かって右に釈迦如来(施無畏与願印)、中央に阿弥陀如来(来迎印)、左に地蔵菩薩(錫杖・宝珠)を厚肉彫りで配し、各尊の脇には蓮花を挿した宝瓶、地蔵の下方には合掌する小坐像が刻まれる。岩面四隅に方形の孔があり、かつて庇状の覆屋が架けられていたと考えられている。三重県指定有形文化財。旧花の木小学校(のち統合により改称)の外周から延びる小径の奥に位置する。岩根の磨崖仏(花の木三尊磨崖仏)伊賀市大内(三重の石仏をめぐる冒険), 三重県文化財データベース

文化的背景

文化的背景

伊賀地方は、大和(奈良)と接する地理から中世に多くの石仏・磨崖仏が造立された地域として知られる。花の木三尊磨崖仏は、元応元年(1319年)の柳生地蔵や元亨二年(1322年)の奈良三条町弥勒石仏に先行する徳治元年(1306年)の作で、南北朝期に流行する磨崖仏造立の早い段階に位置づけられる、年代の確かな貴重な作例である。釈迦・阿弥陀・地蔵という組み合わせは、現世の救済と来世の往生、そして六道での救済をそれぞれ司る仏を一面に並べたもので、中世人の現実的な救済観をよく示す。大和と伊賀を結ぶ街道沿いという立地も、旅人や地域の人々の信仰を集めた背景として理解される。岩根の磨崖仏(三重の石仏をめぐる冒険)

地元視点

地元視点

「花の木」は戦前この一帯の村名で、現在も「花の木」を冠した施設や地名が残る。磨崖仏はかつての花の木小学校(統合により改称)の外周から延びる小径の奥、岩根川沿いの林中に静かに祀られており、地元では地域の文化財・信仰の場として知られている。学校敷地に隣接するため、平日は授業・児童への配慮が必要で、休日の見学が望ましい。岩根の磨崖仏(三重の石仏をめぐる冒険)

ベストシーズン

ベストシーズン

南面のため日中(特に午前〜昼)に陽が当たり、厚肉彫りの陰影が出やすい。木々の少ない冬〜早春は岩面が見やすい。

撮影のコツ

撮影のコツ

岩塊全体と三尊の並びを正面から押さえるのが基本。三尊は厚肉彫りのため斜光(午前)で立体感が増す。各尊脇の宝瓶や地蔵下の小坐像を寄りで記録するとよい。苔むした岩肌と林の中に在る佇まいを引きで撮ると場の静けさが伝わる。

注意事項

注意事項

三重県指定有形文化財であり、岩面・刻像には絶対に触れない・拓本を取らない。学校敷地に隣接するため、平日の訪問は授業・児童への配慮が必要で、休日の見学が望ましい。山中の小径は足元が悪い場合があるため履物に注意。

関連作品

関連作品

トリビア

トリビア

  • - 「岩根の磨崖仏」とも呼ばれる。岩根川沿いに立地する。
  • - 銘文に「徳治第一年」「願主沙弥六阿弥」と記され、1306年の作と確定できる数少ない磨崖仏。
  • - 岩面四隅の方形孔は、かつて覆屋(庇)が架けられていた痕跡と考えられている。

外部レビュー

外部レビュー

出典

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