異界巡礼

BIZARRE JAPAN

名鑑千引神社・千引岩

S P O T / SPOT-338

土俗・奇祭

千引神社・千引岩

ちびきじんじゃ ちびきいわ

玉城町勝田に伝わる「血の道の神様」。勝田大池の東にあった巨岩を、村人が青竹を地面に敷き並べて村まで運び出し、しめ縄をかけて祀ったのが千引岩・千引神社の起こりと伝わる。猟師が鳥を射ようとして外した矢が岩に当たり、岩から真っ赤な血が流れたという伝承から神聖視され、その後の不作・疫病で多くの子が亡くなったとき、母親たちが岩に願をかけて運び出し祀ったところ疫病が収まったとされる。「千人で引くほどの巨岩」ゆえ千引岩と呼ばれ、女性の健康・安産・子の無事を守る神として、毎年4月3日に女性たちの手で祭礼が営まれる。創祀は約130年前と伝えられる比較的新しい民間信仰の事例である。

N O P H O T O

H I G H L I G H T S

見どころ

  • 01村人が青竹を敷いて運び出したと伝わる「千人で引くほどの巨岩」
  • 02矢が当たって岩から血が流れたという「血の道の神様」の由来伝承
  • 03毎年4月3日に女性だけで営まれる祭礼という、女性主体の信仰の形

A C C E S S / M E T A

基本情報

所在地
三重県 度会郡玉城町
住所
三重県度会郡玉城町勝田
拝観料
無料(境内自由)
時間
境内自由
状態
現存
亀山から
車で約1時間(名阪国道→伊勢自動車道玉城IC)。鉄道はJR参宮線「田丸駅」が玉城町の中心最寄りで、勝田地区へはさらに車・タクシー。
最寄駅
JR参宮線「田丸駅」(玉城町中心部最寄り)
駐車場
明確な専用駐車場情報なし(現地確認)
所要
30分

D E E P D I V E

深掘り

歴史

歴史

千引岩・千引神社は、玉城町勝田の勝田大池の東にあった巨岩を起源とする。玉城町公式の文化財紹介によれば、ある猟師が岩に止まった鳥を射ようとして外し、その矢が岩に当たったところ「岩からまっ赤な血が流れた」のが目撃され、村人はこれを神聖な岩と考えるようになった。その後、村は不作と疫病に見舞われ、何十人もの子どもが次々に亡くなる事態となり、母親たちがこの岩に願をかけることを決めた。竹林の青竹を地面に並べてその上を転がすようにして岩を村まで運び出し、大しめ縄をかけて子の健康を祈ったところ、疫病が収まったと伝えられる。「千人で引くほどの巨大な岩」であることから千引岩と呼ばれ、千引神社として祀られた。創祀は約130年前と伝わる。千引岩 -勝田-(玉城町)

文化的背景

文化的背景

千引岩信仰は、巨石を神体とする磐座(いわくら)信仰の系譜にありながら、起源が約130年前と比較的新しく、しかも疫病による子どもの死という具体的な危機を背景に成立した点で特異である。岩から血が流れるという怪異譚、母親たちが共同で巨岩を運ぶという行為、そして女性たちの手で続けられる祭礼が一体となり、「血の道の神様」=女性の健康・安産・子の無事を守る神という性格を形づくっている。共同体が災厄に対して新たな神を「つくり出し」、女性が祭祀の主体となる事例として、近代の民間信仰を考える上で興味深い。千引岩 -勝田-(玉城町)

地元視点

地元視点

玉城町は公式サイトの文化・芸術紹介ページで千引岩を地域の伝承として掲載し、「血の道の神様」として毎年4月3日に女性たちの手でおまつりされていると記す。参道には毎年竹の子が生えるのが特徴とされ、岩を運んだ青竹の伝承と結びついて語られている。境内は自由に参拝でき、地元では女性・子どもにまつわる素朴な信仰の場として受け継がれている。千引岩 -勝田-(玉城町)

ベストシーズン

ベストシーズン

祭礼が営まれる4月3日前後。参道に竹の子が生える春が、伝承と季節が重なって趣がある。

撮影のコツ

撮影のコツ

しめ縄をかけた千引岩の全体と、岩面の質感を主役に。春は参道の竹・竹の子を前景に入れると「青竹で運んだ」伝承が想起される。信仰の場のため、しめ縄や供物には触れず、祭礼当日は祭祀の妨げにならない位置から撮る。

注意事項

注意事項

信仰の対象であり、しめ縄・供物・岩には敬意をもって接し、触れたり登ったりしない。集落内の小さな祭祀地のため、住民の生活や祭礼の妨げにならないよう配慮する。正確な所在は勝田地区内のため現地確認を要する。

関連作品

関連作品

  • - 各地の磐座・巨石信仰、および「血を流す石」「動く石」といった石にまつわる怪異・霊石伝承の系譜に位置づけられる。千引岩 -勝田-(玉城町)

トリビア

トリビア

  • - 「千人で引くほどの巨岩」であることが「千引岩」の名の由来。
  • - 起源伝承は約130年前と、磐座信仰としては比較的新しい。
  • - 祭礼は毎年4月3日、女性たちの手で営まれる。参道には毎年竹の子が生えるという。

外部レビュー

外部レビュー

出典

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