異界巡礼

BIZARRE JAPAN

名鑑八釜の甌穴群

S P O T / SPOT-333

聖地・ミステリー

八釜の甌穴群

やかまのおうけつぐん

八釜の甌穴群は、愛媛県久万高原町柳井川を流れる黒川(仁淀川水系)の渓谷にある国指定特別天然記念物で、川床の硬いフリント質角岩(チャート)に穿たれた大小35個の甌穴(ポットホール)が密集する。甌穴は、土砂や礫を含む水が滝のように落ち、渦を巻きながら岩盤を釜底のように削って形成されたもので、最大級のものは直径9〜12メートルに達する。中でも特に大きい八つ(トンネル釜・獅子釜・メガネ釜など)が「八釜」の名の由来とされる。これほどの規模の甌穴群が一群をなして残る例は全国的に珍しく、1934年に天然記念物、1952年に特別天然記念物へと格上げされた。四国カルスト県立自然公園の一角で、入口から遊歩道(片道約1.2km)で渓谷へ下る。

八釜の甌穴群
Wikimedia Commons / ball banban / CC BY 3.0

H I G H L I G H T S

見どころ

  • 01硬いチャート(フリント質角岩)の川床に穿たれた大小35個の甌穴が密集する全国的に稀な景観
  • 02最大級で直径9〜12メートルに達する巨大な釜状の穴(トンネル釜・獅子釜・メガネ釜など)
  • 03渦巻く水流が長い年月をかけて岩盤を削り抜いた、自然の造形力が一目で分かる地形
  • 04両岸に崖がそそり立つV字谷と、エメラルド色の渓流が織りなす渓谷美

A C C E S S / M E T A

基本情報

所在地
愛媛県 上浮穴郡久万高原町
住所
〒791-1801 愛媛県上浮穴郡久万高原町柳井川
拝観料
無料
時間
見学自由(遊歩道は日中の利用が望ましい)
状態
現存(国指定特別天然記念物)
亀山から
車で約5時間(新名神→山陽道→しまなみ海道または瀬戸大橋経由→松山道「松山IC」→国道33号・440号で久万高原町柳井川)。公共交通は便が少なく車利用が現実的。
最寄駅
JR予讃線「松山駅」(遠方・要車)
駐車場
あり(国道440号沿いの入口に駐車場)。そこから遊歩道で渓谷へ。
所要
1.5〜2時間(往復遊歩道含む)

D E E P D I V E

深掘り

歴史

歴史

八釜の甌穴群は、四国のほぼ中央、四国山地の黒川(仁淀川支流)下流部、仁淀川との合流点付近の龍宮大橋から約2.7km上流に位置する。1934年(昭和9年)5月1日に国の天然記念物に指定され、1952年(昭和27年)3月29日には特別天然記念物に格上げされた。地名「八釜(やかま)」は、主流に連なる甌穴のうち、釜に似た特に大きい八つ(トンネル釜・獅子釜・メガネ釜など)が選ばれたことに由来するとされる。一帯は両岸に崖がそびえる典型的なV字谷で、四国カルスト県立自然公園の区域に含まれる。八釜の甌穴群|久万高原町, 八釜の甌穴群 - Wikipedia, 八釜の甌穴群|文化遺産オンライン

文化的背景

文化的背景

甌穴(ポットホール)は、川床のくぼみに入り込んだ礫が、流水の渦によって回転し、長い年月をかけて岩盤を円形に削り取ることで生じる河川地形である。八釜の場合、母岩が硬質のフリント質角岩(チャート)であるため穴の形が明瞭に保たれ、大小35個が密接して一群をなす点が地質学的に高く評価される。単独の甌穴は各地に見られるが、これほど大規模かつ密集した群として残る例は全国的に珍しく、河川の浸食作用を一望で学べる「天然の地学教材」として特別天然記念物に指定された。観光・信仰の対象というより、自然現象の造形美と地形学的価値が評価される稀有な「奇景」である。八釜の甌穴群 - Wikipedia, 八釜の甌穴群|愛媛県(えひめの宝)

地元視点

地元視点

久万高原町や愛媛県の観光・文化財紹介では、八釜の甌穴群は四国カルスト観光とあわせて訪れる自然景勝地として案内される。国道440号沿いの入口から遊歩道で渓谷へ下る必要があり、片道約1.2km(下り約20分・登り約30分)と一定の体力を要する点が共通して注意喚起されている。渓谷の足元は濡れて滑りやすく、増水時は危険なため、晴天時の見学が勧められている。秘境的な立地ゆえ訪問者は多くないが、地学・自然愛好者から「百年洪水が刻んだ造形」として静かに支持されている。八釜の甌穴群|久万高原町, 八釜の甌穴群|百年洪水が刻んだ国指定特別天然記念物|四国開拓日誌

ベストシーズン

ベストシーズン

渓谷へ下る遊歩道を歩くため、足元が乾き光量のある晴天時の日中が最適。新緑(5〜6月)や紅葉(11月)の頃は渓谷美が際立つ。梅雨・台風後の増水時や積雪・凍結の冬季は危険なため避ける。

撮影のコツ

撮影のコツ

甌穴の円形のくぼみは、遊歩道や岩の上から俯瞰気味に撮ると形が分かりやすい。流れ落ちる水を絡めると形成のメカニズムが伝わる。エメラルド色の淵と白い角岩のコントラストが映えるので、晴天時の順光が無難。最大級の釜は人物を入れてスケール感を出す。

注意事項

注意事項

渓谷の岩場は濡れて非常に滑りやすく、増水時は急な水位上昇の危険がある。遊歩道は片道約1.2kmの登り下りがあり、歩きやすい靴と飲み物を用意する。柵のない箇所では淵への転落に注意。携帯の電波が届きにくい山間部のため、単独行・夕方以降の入山は避ける。特別天然記念物のため岩や甌穴を傷つけない。

関連作品

関連作品

トリビア

トリビア

  • - 大小35個の甌穴が密接して一群をなし、最大級のものは直径9〜12メートルに達する。
  • - 名前「八釜」は、特に大きい八つの釜(トンネル釜・獅子釜・メガネ釜など)に由来する。
  • - 母岩は硬質のフリント質角岩(チャート)で、硬いがゆえに穴の形が明瞭に残る。

外部レビュー

外部レビュー

出典

出典