異界巡礼

BIZARRE JAPAN

名鑑源宗坊寺

S P O T / SPOT-331

B級・カオス

源宗坊寺

げんそうぼうじ

源宗坊寺(岩松山源宗坊寺)は、広島県呉市清水の山間にある真言系の寺で、明治39年(1906年)に行者・稲田源宗坊が開いた。最大の特色は、開山自身が鉄筋とモルタルで独学的に造り上げた極彩色のコンクリート仏像群である。境内には薬師如来・四臂不動明王・十一面観音・八大龍王神・焔摩天・風神など約35体が山の斜面に点在し、うち13体ほどが源宗坊の手になるとされる。中でも呉湾を見据える高さ約6メートルの不動明王(大仏)は胎内仏で、源宗坊はこれを覆うさらに巨大な釈迦牟尼仏を構想したが未完に終わり、現在は巨大な左手と左足のみが残る。素朴さと迫力が同居する造形は、いわゆるアウトサイダーアート/民間信仰の造像として近年再評価されている。

源宗坊寺
出典: 岩松山源宗坊寺 公式サイト(https://gensouboji.localinfo.jp/)※掲載許諾申請中

H I G H L I G H T S

見どころ

  • 01開山・稲田源宗坊が独学で造った極彩色のコンクリート仏像が山の斜面に約35体点在
  • 02呉湾を見据える高さ約6メートルの不動明王(大仏)と、その胎内仏という入れ子構造
  • 03未完成に終わった巨大釈迦牟尼仏の「左手」と「左足」だけが残る異様な未完の景観
  • 04整った仏師の作とは異なる、素朴で力強い表情の仏像群(アウトサイダーアート的造形)

A C C E S S / M E T A

基本情報

所在地
広島県 呉市
住所
〒737-0935 広島県呉市清水3-14-1
拝観料
無料(参拝自由)
時間
境内自由(日中の参拝が望ましい)
状態
現存
亀山から
車で約3時間40分(新名神→山陽道「呉IC」方面、呉市清水)。鉄道はJR亀山→名古屋→広島→呉線「呉駅」からバス・タクシーで約5時間。
最寄駅
JR呉線「呉駅」
駐車場
あり(少数)。山間の細道のため大型車・運転に注意。
所要
40〜60分

D E E P D I V E

深掘り

歴史

歴史

源宗坊寺は、明治39年(1906年)に行者・稲田源宗坊(いなだげんそうぼう)が開山した寺である。源宗坊は高野山ほか諸国で修行を重ねた後にこの地を選び、台座銘文によれば境内の修験洞で木の根・木の芽を食する荒修行を行ったうえで、人々の病や苦を除き救うことを発願したと伝わる。薬草を煎じて病人を養いながら、独学的に鉄筋を骨組みとしモルタルを塗り重ねるコンクリート仏を次々に制作していった。境内には薬師如来・四臂不動明王(本尊)・十一面観音菩薩・源宗開山上人像・八大龍王神・弘法大師像・焔摩天・風神・聖徳太子・毘沙門天など多数の像が斜面に配され、現在約35体、うち13体ほどが源宗坊自身の作とされる。源宗坊寺 公式サイト(境内及び主な仏像の紹介), 岩松山源宗坊寺|くれとりっぷ(呉市公式観光サイト), 源宗坊寺|日本すきま漫遊記

文化的背景

文化的背景

源宗坊寺の仏像群は、専門の仏師による整った造像とは一線を画し、行者個人の信仰心と独学の技術によって生み出された「祈りの造形」である。鉄筋コンクリートという近代の素材を用いて、病苦からの救済という民間信仰の願いを巨像として形にした点で、近代日本の手づくり宗教施設・コンクリート仏(戦前〜戦後に各地で造られた素人仏像群)の系譜に連なる。素朴さと迫力、稚拙さと迫真が同居する表情は、近年ではアウトサイダーアートの文脈でも注目される。呉という軍港都市の山間に、行者一人の発願から立ち上がった信仰空間である点も、地域史の上で興味深い。岩松山源宗坊寺|Dive! Hiroshima, 源宗坊寺 公式サイト

地元視点

地元視点

呉市公式観光サイトや広島県観光連盟のサイトでは、源宗坊寺は山間の個性的な仏像スポットとして紹介され、参拝自由の寺として案内されている。訪問記の多くは「山奥のカオスな珍寺」「秘境に潜むコンクリ仏」といった驚きとともに、整然とした寺院とは異なる手づくりの迫力を伝えている。参道や斜面に像が点在するため、巡りながら一体ずつ表情を確かめる楽しみがあると評される。源宗坊寺の御朱印情報|広島随一のカオス寺, 極彩色コンクリ仏像と未完成巨大仏の秘密「源宗坊寺」|日本珍スポット100景

ベストシーズン

ベストシーズン

山の斜面に像が点在するため、足元の安全と光量が確保できる日中(午前〜昼過ぎ)が望ましい。新緑〜初夏は周囲の緑と極彩色の仏像のコントラストが映える。夏は虫・暑さ、冬は日没が早い点に注意。

撮影のコツ

撮影のコツ

斜面に点在する像は、一体ずつ仰角で捉えると迫力が出る。呉湾を見据える不動明王(大仏)は背後の緑を入れて全身を収めると未完の巨大仏の名残(左手・左足)との対比が分かりやすい。極彩色の彩色を活かすため、晴天の順光が無難。

注意事項

注意事項

山の斜面・参道は足場が悪い箇所があり、雨天後はすべりやすい。歩きやすい靴で訪れ、像によじ登ったり触れたりしない。現役の信仰の場・私有地であるため、静かに参拝し、ゴミは持ち帰る。山間部のため夏は虫・暑さ、冬は早い日没に注意。

関連作品

関連作品

トリビア

トリビア

  • - 開山・稲田源宗坊は薬草を煎じて病人を養いながら、自ら仏像を造り続けたと伝わる。
  • - 高さ約6メートルの不動明王は胎内仏で、これを覆うさらに巨大な釈迦牟尼仏が構想されたが未完に終わった。
  • - 未完の巨大仏は、現在「左手」と「左足」だけが斜面に残されている。

外部レビュー

外部レビュー

出典

出典