S P O T / SPOT-329
楯築遺跡
たてつきいせき
岡山県倉敷市矢部に所在する弥生時代後期後葉(2世紀後半)の墳丘墓。主丘の直径約49m、両側に方形の突出部をもつ「双方中円形」という特異な形状で、全長は推定約83mと弥生墳丘墓としては日本列島最大級を誇る。最大の見どころは墳丘頂部に環状に立つ5基の巨石で、ストーンサークルを思わせる景観が異彩を放つ。岡山大学などの発掘調査では、朱を敷き詰めた木棺・木槨の痕跡、鉄剣、大量のガラス小玉、土製勾玉などが見つかった。出土した弧帯文石(旋帯文石)は渦巻状の文様を全面に刻む祭祀遺物で、国の重要文化財。墳頂の楯築神社のご神体として伝世する。1981年に国史跡指定。邪馬台国時代の首長墓の実像を伝える、古墳成立前夜の重要遺跡である。
H I G H L I G H T S
見どころ
- 01墳丘頂部に環状に屹立する5基の巨石(ストーンサークル状の景観)
- 02弥生墳丘墓最大級・全長約83mの『双方中円形』という他に類を見ない形状
- 03全面に渦巻文を刻む弧帯文石(旋帯文石・国重文)と楯築神社の伝世
A C C E S S / M E T A
基本情報
- 所在地
- 岡山県 倉敷市
- 住所
- 岡山県倉敷市矢部
- 拝観料
- 無料
- 時間
- 見学自由(屋外・常時)
- 状態
- 現存(国指定史跡)
- 亀山から
- 車で約2時間40分(新名神・山陽道→倉敷ICから約20分)。鉄道なら新幹線で岡山駅、JRで中庄駅・倉敷駅からバス・タクシー利用で計約3時間。
- 最寄駅
- JR山陽本線「中庄駅」(タクシー約10分)
- 駐車場
- あり(数台分・無料)
- 所要
- 30分〜1時間
D E E P D I V E
深掘り
歴史
歴史
楯築遺跡は岡山県倉敷市矢部、王墓山丘陵の一角に築かれた弥生時代後期後葉(2世紀後半)の墳丘墓である。不整円形の主丘は直径約49m・高さ4〜5mで、北東と南西の二方向に方形の突出部を伸ばす「双方中円形」という独特の平面形をとり、突出部を含めた全長は推定約83mに達する。これは弥生時代の墳丘墓としては日本列島で最大級にあたる。1976年から1989年にかけて岡山大学考古学研究室と倉敷市教育委員会が複数次にわたり発掘調査を実施し、墳頂中央から朱を厚く敷き詰めた木棺とそれを納めた木槨の痕跡、鉄剣、大量のガラス小玉、土製の勾玉などが検出された。1981年12月9日に国の史跡に指定され、出土した弧帯文石は翌1982年6月5日に国の重要文化財に指定されている。楯築遺跡 - Wikipedia, 楯築遺跡保存活用計画 - 倉敷市, 楯築遺跡 - 日本遺産ポータル(文化庁)
文化的背景
文化的背景
楯築遺跡が築かれた弥生後期は、各地に有力な首長が現れ、巨大な墳丘墓を競って造営した時代で、やがて前方後円墳を頂点とする古墳時代へと移行していく。その過渡期の首長墓として、楯築は規模・構造の両面で極めて重要視される。墳頂に環状に立つ5基の巨石は、被葬者を祀る祭祀の場を画する立石と考えられ、ストーンサークルにも例えられる。出土した弧帯文石は、表面全体に直弧文に通じる渦巻状の帯文様を刻んだ石で、後の古墳に副葬される弧帯文(鼉龍文)の祖型とされ、祭祀・呪術的な意味をもつとみられる。これらは吉備地域に強大な政治勢力が存在したことを物語り、邪馬台国時代の列島社会を考えるうえで欠かせない資料である。楯築遺跡 - Wikipedia, 楯築遺跡 - カラフル備中(岡山県)
地元視点
地元視点
墳頂には楯築神社が鎮座し、出土した弧帯文石(旋帯文石)はそのご神体として地域で守り伝えられてきた。隣接する鯉喰神社にも関連伝承が残り、遺跡と在地信仰が結びついて約1800年にわたり場の記憶が継承されてきたことがうかがえる。倉敷市は保存活用計画を策定し、史跡の整備と公開を進めている。観光案内では「見学自由・無料」のスポットとして紹介され、住宅地に近い丘陵上にありながら、巨石群の異様な存在感を間近に体験できる場として知られる。楯築遺跡と鯉喰神社 - 倉敷とことこ, 楯築遺跡 - 倉敷観光WEB
ベストシーズン
ベストシーズン
草が枯れて巨石が見やすい晩秋〜早春、または新緑の頃。空気の澄んだ晴天日は丘上からの眺望もよい。
撮影のコツ
撮影のコツ
墳頂の5基の巨石を環状の配置がわかるように低めの位置から広角で。朝夕の斜光で立石の陰影と質感が際立つ。弧帯文石(複製・収蔵施設)は別途、文様が読み取れるよう近接で。
注意事項
注意事項
国指定史跡であり、立石や墳丘に登ったり触れて傷つけたりしない。楯築神社のご神体や社殿は信仰の対象として丁重に扱う。丘陵上で足元が不安定な箇所があるため歩きやすい靴を。
関連作品
関連作品
- - 文化庁 日本遺産ポータル — 「桃太郎伝説の生まれたまち おかやま」の構成文化財として楯築遺跡を紹介。楯築遺跡 - 日本遺産ポータル
- - 倉敷市教育委員会『楯築遺跡保存活用計画』 — 遺跡の現状・整備方針をまとめた行政資料。倉敷市
トリビア
トリビア
- - 全長約83mは弥生時代の墳丘墓として日本列島最大級。
- - 平面形は前方後円墳の祖型ともいわれる『双方中円形』。
- - 墳頂の弧帯文石は楯築神社のご神体として伝世し、国の重要文化財。
- - 渦巻状の弧帯文は、後の古墳に見られる直弧文・鼉龍文の源流とされる。
外部レビュー
外部レビュー
出典