S P O T / SPOT-305
飯盛山さざえ堂(旧正宗寺三匝堂)
いいもりやまさざえどう
寛政8年(1796)に飯盛山の正宗寺住職・僧郁堂が考案したとされる、高さ約16.5メートル・六角三層の木造仏堂。正式名称は円通三匝堂(えんつうさんそうどう)で、重要文化財指定名称は旧正宗寺三匝堂。最大の特徴は、内部が上りと下りで別経路となる二重らせん構造のスロープを採用している点で、参拝者は堂内を一巡しても他者とすれ違わずに昇降できる。かつてはスロープ沿いに西国三十三観音像を安置し、堂内を巡るだけで三十三観音巡礼を疑似体験できる仕組みであった。木造建築でこの二重らせんを実現した例はきわめて珍しく、世界の建築史上も特異な遺構として知られる。平成7年(1995)に国の重要文化財に指定された。

H I G H L I G H T S
見どころ
- 01上り・下りが完全に分離した木造の二重らせんスロープ構造(堂内ですれ違わない)
- 02六角三層・高さ約16.5メートルの、ねじれて見える独特の外観
- 03堂内を一巡するだけで西国三十三観音巡礼を疑似体験できる巡礼装置としての機能
A C C E S S / M E T A
基本情報
- 所在地
- 福島県 会津若松市
- 住所
- 〒965-0003 福島県会津若松市一箕町大字八幡字弁天下1404-2
- 拝観料
- 大人400円、大高生300円、小中生200円
- 時間
- 8:15〜日没(4〜12月)/9:00〜16:00(1〜3月)無休
- 状態
- 現存(国指定重要文化財)
- 亀山から
- 車では遠方のため鉄道推奨。亀山駅→(関西本線・新幹線等)→郡山駅乗換→会津若松駅、所要約5〜6時間。会津若松駅からバス・タクシーで飯盛山下まで約15分。車なら名阪・新名神・東名・東北道経由で約9〜10時間。
- 最寄駅
- JR磐越西線「会津若松駅」
- 徒歩
- 5分
- 駐車場
- 周辺に民間有料駐車場あり(飯盛山下)
- 所要
- 30分〜1時間(飯盛山一帯を含めて1〜2時間)
D E E P D I V E
深掘り
歴史
歴史
会津さざえ堂は寛政8年(1796)、飯盛山にあった正宗寺の住職・僧郁堂が考案したと伝わる六角三層の仏堂で、正式には円通三匝堂と称する。建立当初はスロープ沿いに西国三十三観音像を安置し、堂内を一巡することで巡礼を成就できる「観音堂」として機能した。明治の神仏分離・廃仏毀釈の影響で観音像は他へ移され、堂は民間に払い下げられて現在は飯盛山の民間管理下で公開されている。建築史的価値が再評価され、平成7年(1995)に「旧正宗寺三匝堂」の名称で国の重要文化財に指定された。会津若松市・文化財一覧, 栄螺堂 - Wikipedia
文化的背景
文化的背景
「さざえ堂(栄螺堂)」は、サザエの殻のように堂内をらせん状に巡る仏堂の総称で、江戸時代後期に関東・東北を中心に複数建てられた。多くは観音巡礼を堂内で完結させる「擬似巡礼」装置であり、庶民が遠方の霊場へ赴かずとも功徳を積めるという当時の信仰需要に応えたものである。会津さざえ堂はその中でも、上り下りを分離した二重らせんという最も技巧的な構造を木造で実現した点で際立つ。民俗的には、巡礼・参詣のミニチュア化と、職人の構造技術への挑戦が一体化した造形といえる。nippon.com, 栄螺堂 - Wikipedia
地元視点
地元視点
飯盛山は戊辰戦争で自刃した白虎隊士の墓所として知られ、さざえ堂はその参詣ルート上に位置する。地元では白虎隊の慰霊地と一体の観光地として扱われ、堂内をらせん状に歩く体験が修学旅行や観光の定番となっている。管理者は拝観受付を通じて建物の保存と公開を両立させており、堂内の手すりや滑り止めなど安全面の整備も進められている。会津若松市・文化財一覧, 旅東北
ベストシーズン
ベストシーズン
新緑の5〜6月と紅葉の10〜11月が飯盛山一帯の景観と合わせて美しい。冬季は積雪・凍結があり足元注意。
撮影のコツ
撮影のコツ
外観はやや斜め下から見上げると三層のねじれが強調される。堂内は薄暗くスロープが傾斜するため、手すりを使いつつブレ対策を。らせんの曲線がフレームに収まる踊り場が撮影の見せ場。
注意事項
注意事項
堂内のスロープは木製で傾斜があり滑りやすい。手すりを使い、雨天・冬季はとくに慎重に。重要文化財のため柱や床への落書き・接触は厳禁。飯盛山は石段が多く、白虎隊墓所と合わせて歩くため歩きやすい靴が望ましい。
関連作品
関連作品
- - NHK大河ドラマ『八重の桜』(2013年)— 会津・飯盛山と白虎隊を扱い、さざえ堂周辺も舞台として知られるようになった。八重のふるさと福島県
- - 各種建築・土木の教科書・特集で「木造二重らせん」の代表例として頻繁に取り上げられる。nippon.com
トリビア
トリビア
- - 「三匝堂」の「匝(そう)」は「めぐる」の意で、堂内を三度巡る構造に由来するとされる。
- - 上りと下りが交わらない一方通行構造のため、堂内では他の参拝者とすれ違わない。
- - 木造の二重らせんスロープを持つ建築は世界的にも例が少なく、しばしばダ・ヴィンチの二重らせん階段の構想と比較される。
外部レビュー
外部レビュー
出典