S P O T / SPOT-284
タウシュベツ川橋梁(めがね橋)
たうしゅべつがわきょうりょう めがねばし
旧国鉄士幌線のコンクリート製アーチ橋で、1937年に完成、長さ約130メートル・11連アーチからなる。1955年、糠平ダム建設に伴う路線付け替えで廃止され、ダム湖(糠平湖)の中に取り残された。湖の水位が低い1月頃に氷上に姿を現し、6月頃から沈み始め、8〜10月には湖底に没するため「幻の橋」と呼ばれる。風のない晴天時に水面へ橋が映ると眼鏡のように見えることから「めがね橋」の別名をもつ。凍結融解の繰り返しと水圧で崩落が進み、刻一刻と姿を変える儚さそのものが見どころとなっている、北海道遺産の近代化遺産。

H I G H L I G H T S
見どころ
- 01ダム湖に取り残された11連コンクリートアーチ橋
- 02水位で見え隠れする「幻の橋」と水面に映る「めがね橋」の景
- 03凍結融解と水圧で崩落が進み毎年姿を変える、消えゆく遺構の儚さ
A C C E S S / M E T A
基本情報
- 所在地
- 北海道 河東郡上士幌町
- 住所
- 北海道河東郡上士幌町字ぬかびら源泉郷(糠平湖内)
- 拝観料
- 無料(展望台見学)/橋への接近はツアー・徒歩のみ
- 時間
- 展望台は終日(冬期積雪・ヒグマ注意)
- 状態
- 現存(崩落進行中・季節により水没)
- 亀山から
- 車+フェリーや空路で半日以上。現実的には鉄道・空路で帯広へ(名古屋→とかち帯広空港 約1時間40分)、帯広から車で約1時間20分(国道273号・ぬかびら源泉郷方面)。
- 最寄駅
- (鉄道なし)最寄りはJR帯広駅から車約1時間20分
- 駐車場
- 国道273号沿いに展望用駐車帯あり(無料)
- 所要
- 展望30分/ツアー参加は半日
D E E P D I V E
深掘り
歴史
歴史
タウシュベツ川橋梁は、十勝の帯広と上川を結ぶ目的で建設された旧国鉄士幌線の鉄道橋である。1937年(昭和12年)に完成し、長さ約130メートル、11連のコンクリートアーチからなる。1939年(昭和14年)11月18日に糠平〜十勝三股間が延伸開通して供用が始まったが、1955年(昭和30年)8月1日、糠平ダムの建設に伴い清水谷〜糠平〜幌加のルートが変更され、タウシュベツ川橋梁を通る旧線は廃止された。以後、橋はダム湖である糠平湖の湖面下に取り残された。橋を含む「旧国鉄士幌線コンクリートアーチ橋梁群」は、2001年(平成13年)10月22日に第1回北海道遺産に選定された近代化遺産である。タウシュベツ川橋梁 - Wikipedia, 上士幌町(施設ガイド)
文化的背景
文化的背景
この橋を特異な存在にしているのは、ダム湖の水位変動に従って一年のうちに「現れては消える」という性質である。ダムの水が少ない1月頃に凍結した湖面から姿を現し、雪解けで水位が上がる6月頃から沈み始め、8〜10月頃には完全に湖底へ没する。この季節的な見え隠れから「幻の橋」と呼ばれ、よく晴れた風のない日に橋が水面に映って眼鏡のように見えることから「めがね橋」の別名でも親しまれる。同時に、凍結融解の繰り返しと水圧によってコンクリートの劣化・崩落が年々進行しており、2003年の十勝沖地震では中央部の側壁が崩れるなど、いつ完全に崩壊してもおかしくない状態とされる。すなわち本橋の魅力は、人工物が自然に還っていく過程そのものを目撃できる点にあり、観光対象でありながら「消滅を前提とした遺構」という独特の文脈を帯びている。十勝毎日新聞(北海道の世界), 旅時間
地元視点
地元視点
上士幌町と町観光協会は、本橋を東大雪エリアの代表的観光資源として案内する一方、安全管理の観点から橋への直接の接近を制限している。橋へ通じる林道は事故防止のため2009年から関係車両以外の通行が規制され、一般には対岸の国道273号沿いの駐車帯・展望地点からの見学、またはNPO等が実施するガイドツアー(鍵を開けて林道へ入る)や徒歩でのアプローチ(約4km)が案内されている。周辺はヒグマの生息域のため、徒歩の場合はクマ鈴の携行が必須とされる。上士幌町観光協会, 上士幌町(タウシュベツ川橋梁のいま)
ベストシーズン
ベストシーズン
全体像を見るなら水位が下がり橋全体が現れる1〜5月頃。氷上に立つ姿や水面に映る「めがね」は1〜3月の厳冬期が狙い目。6月以降は徐々に沈み、8〜10月は水没してほとんど見えない。年・降水量により変動するため最新情報の確認が必須。
撮影のコツ
撮影のコツ
対岸の展望地点から望遠で11連アーチを横一線に捉えるのが定番。風のない晴天時は水面に映る左右対称の「めがね橋」が狙える。冬は氷上、春は干上がった湖底に立つ姿が撮れる。橋に近づくツアー参加時も崩落部には触れず安全距離を保つ。早朝の斜光が質感を引き立てる。
注意事項
注意事項
周辺はヒグマの生息域。徒歩接近時はクマ鈴・複数人行動が必須で、単独行は避ける。林道は一般車両通行止めのため無断進入しない。橋本体は崩落が進む危険な遺構で、上に乗る・触れる等は厳禁。冬期は積雪・凍結・低温に十分な装備で臨む。水位・気象で見られない時期があることを前提に計画する。
関連作品
関連作品
- - 旧国鉄士幌線コンクリートアーチ橋梁群 — タウシュベツを含む一連のアーチ橋が第1回北海道遺産に選定。HOKKAIDO LOVE!
- - 数多くの写真集・写真展 — 水位で姿を変える橋は風景写真の被写体として広く撮影され、季節ごとの表情が作品化されている。十勝毎日新聞
トリビア
トリビア
- - 「めがね橋」の名は、水面に映った姿が眼鏡のように見えることに由来する。
- - 2003年の十勝沖地震で中央部側壁が崩落するなど、崩壊が進行中で「いつ見られなくなってもおかしくない」とされる。
- - 橋へ通じる林道は2009年から一般車両通行止め。見学は展望地点かガイドツアー・徒歩に限られる。
外部レビュー
外部レビュー
出典