S P O T / SPOT-266
赤木城跡
あかぎじょうあと
三重県熊野市紀和町、標高約230mの丘陵に築かれた山城跡で、天正17年(1589年)頃に藤堂高虎が縄張りしたと伝わる。豊臣秀長の命で北山一揆の鎮圧と熊野の山林資源確保のために築かれた城で、中世山城の地形を生かしつつ、反りのない野面乱積みの高石垣・整った虎口(門)など近世城郭の要素を併せもつ過渡期の遺構として高い価値をもつ。1989年10月9日に「赤木城跡及び田平子峠刑場跡」として国の史跡に指定。発掘・整備により主郭を中心に三方の尾根と城下に曲輪が広がる縄張りが復元的に保存されている。秋から冬の冷え込んだ早朝には雲海に浮かび「天空の城」と呼ばれるが、その出現は稀である。

H I G H L I G H T S
見どころ
- 01藤堂高虎縄張りと伝わる、反りのない野面乱積みの高石垣(北西角は高さ約5m・四隅は算木積み)
- 02中世山城の地形に近世城郭の虎口・石垣を重ねた過渡期の縄張りがそのまま残る
- 03条件の整った晩秋〜冬の早朝に雲海へ浮かぶ『天空の城』の景観(出現は稀)
- 04城の落成期に一揆残党が処刑された田平子峠刑場跡と一体で史跡指定された歴史的背景
A C C E S S / M E T A
基本情報
- 所在地
- 三重県 熊野市
- 住所
- 〒519-5413 三重県熊野市紀和町赤木
- 拝観料
- 無料(見学自由)
- 時間
- 見学自由(常時開放)。冬季早朝は凍結注意
- 状態
- 現存(国指定史跡・石垣遺構保存)
- 亀山から
- 車で約2時間40分〜3時間(東名阪→伊勢道→紀勢道・熊野尾鷲道路→熊野市街→国道311号・169号で紀和町赤木へ)。公共交通の便は乏しく車利用が現実的
- 最寄駅
- JR紀勢本線「熊野市駅」(そこから車で約40〜50分)
- 徒歩
- 0分
- 駐車場
- あり(無料・専用駐車場)。そこから徒歩で主郭へ
- 所要
- 1〜1.5時間(雲海狙いは早朝待機で+α)
D E E P D I V E
深掘り
歴史
歴史
赤木城は三重県熊野市紀和町赤木字城山、標高約230mの丘陵に位置する山城で、天正17年(1589年)頃の築城と伝わる。築城は、豊臣秀長の命を受けた藤堂高虎が、北山一揆の鎮圧と熊野地方の山林資源確保のために担ったとされる。正式な史跡名称は「赤木城跡及び田平子峠刑場跡」で、1989年(平成元年)10月9日に国の史跡に指定された。城の落成期(元和元年1月)には、北山一揆の残党約160人が田平子峠で処刑されたと伝えられ、城と刑場が一体の史跡として扱われている。1992年から2004年にかけて発掘調査・整備が行われ、2017年には続日本100名城に選定された。赤木城 - Wikipedia, 赤木城跡 - 熊野市役所
文化的背景
文化的背景
赤木城の価値は、中世山城から近世城郭への移行期を体現する点にある。自然地形を生かして主郭を中心に三方の尾根と城下に曲輪を配する中世的な縄張りをもちながら、反りのない野面乱積みの高石垣や発達した虎口(門)といった近世初期の技術を併用している。築城者と伝わる藤堂高虎は、宇和島城・今治城・津城・伊賀上野城などを手がけた築城の名手であり、その初期作の一つとして赤木城は位置づけられる。天正期の姿を比較的よく残す石垣山城として、城郭史上の貴重な事例とされる。赤木城 - Wikipedia, 赤木城 - 攻城団
地元視点
地元視点
地元・熊野市紀和町では赤木城跡を地域の中核的な観光・歴史資源として整備し、案内板やパンフレットを通じて来訪者を迎えている。2015年にテレビ番組で雲海に浮かぶ姿が紹介されて以降、来訪者が急増し(2014年約2千人→2015年約3万3千人)、紀和町の知名度を押し上げた。地元では雲海の「天空の城」をPRしつつ、それが稀にしか現れない自然現象であることも丁寧に伝えている。赤木城跡 - 熊野市観光協会, 日本の「天空の城」6選 - じゃらんニュース
ベストシーズン
ベストシーズン
石垣を見るなら通年可能で、新緑〜初夏や紅葉期は周囲の景観も美しい。『天空の城』の雲海を狙うなら、放射冷却が起きやすい晩秋〜冬の冷え込んだ早朝(日の出前後)が条件。ただし出現は稀で、前夜の冷え込み・湿度・無風など条件が揃う必要がある。
撮影のコツ
撮影のコツ
城下の田園側や対岸の高みから主郭の高石垣を見上げる構図が定番。野面乱積みの石の表情と算木積みの隅角を斜光で撮ると立体感が出る。雲海狙いは日の出前から待機し、霧が石垣を包む一瞬を狙う。早朝・薄暗い時間帯は足元が見えにくいのでヘッドライトと三脚を用意する。
注意事項
注意事項
山城のため遊歩道・石段は足元が不安定な箇所があり、雨後や冬季早朝の凍結時は滑落・転倒に注意。歩きやすい靴で訪れ、無理な石垣への登攀はしない。雲海狙いの早朝は暗く冷えるため防寒・照明を準備する。史跡・石垣を傷つけないよう配慮し、処刑跡を含む慰霊の場でもある点を踏まえ静かに見学する。
関連作品
関連作品
- - 続日本100名城(2017年選定、No.155)— スタンプラリーの対象として全国の城郭ファンに知られる。赤木城 - 攻城団
- - 各種テレビ番組での「天空の城」特集 — 2015年放映を契機に来訪者が急増した。赤木城跡 - 熊野市観光協会
- - 日本の「天空の城」を紹介する旅行メディア記事群で、竹田城などと並んで取り上げられる。日本の「天空の城」6選 - じゃらんニュース
トリビア
トリビア
- - 築城者は『築城の名手』藤堂高虎と伝わる。
- - 雲海に浮かぶ『天空の城』の出現はおおむね数年に一度ともいわれるほど稀。
- - 2015年のテレビ放映後、年間来訪者が前年比で十数倍に急増した。
- - 城の落成期に北山一揆の残党が田平子峠で処刑され、刑場跡と一体で国史跡に指定されている。
外部レビュー
外部レビュー
出典