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名鑑波切神社 鯨石

S P O T / SPOT-259

土俗・奇祭

波切神社 鯨石

なきりじんじゃ くじらいし

波切神社は、志摩半島の先端・大王崎の漁師町、志摩市大王町波切に鎮座する古社で、その境内の一隅に「鯨石(くじらいし)」と呼ばれる卵型の丸石が祀られている。伝承によれば、かつて波切でも捕鯨が行われていた江戸時代初期、漁師たちが捕らえた鯨を解体していたところ、鯨の体内から大きな卵型の石が現れて漁師たちを驚かせた。神のたたりを恐れた漁師たちは、その石を鯨石として波切神社に祀り、捕鯨の安全と豊漁を祈ったと伝えられる。鯨の腹から出たという出自そのものが、海の生業に生きた人々の畏れと信仰を物語る。神社は同時に、大王島の巨人ダンダラ法師(ダンダラボーシ)を大わらじで追い払ったという伝説に由来する「わらじ祭(波切のわらじ曳き)」(三重県無形民俗文化財)でも知られ、鯨石とともに、海の脅威と恵みに向き合ってきた漁師町の信仰世界を今に伝えている。

波切神社 鯨石
出典: トリップアドバイザー 利用者投稿(波切神社)(https://www.tripadvisor.jp/Attraction_Review-g1019679-d1369655-Reviews-Nakiri_Shrine-Shima_Mie_Prefecture_Tokai_Chubu.html)※掲載許諾申請中

H I G H L I G H T S

見どころ

  • 01鯨の体内(腹)から出てきたと伝わる、人の頭ほどの卵型の丸石「鯨石」
  • 02神のたたりを恐れて石を祀ったという、捕鯨の畏れと信仰を物語る由来
  • 03境内の一角に台座に据えられ、傍らに「鯨石」と刻んだ標石とともに祀られる姿
  • 04大王崎の巨人伝説に由来する「わらじ祭」(三重県無形民俗文化財)と一体の漁師町信仰

A C C E S S / M E T A

基本情報

所在地
三重県 志摩市
住所
〒517-0603 三重県志摩市大王町波切1 波切神社境内
拝観料
無料(境内自由)
時間
境内自由(社務所対応は日中)
状態
現存
亀山から
車で約2時間(東名阪・伊勢自動車道経由で伊勢西ICまで、その後国道167号・260号で大王町波切へ)。鉄道なら近鉄で鵜方駅まで約2時間、駅からバス・タクシーで大王崎方面へ約20分。
最寄駅
近鉄志摩線「鵜方駅」
徒歩
0分
駐車場
大王崎周辺の駐車場を利用(神社周辺は道幅狭く要注意)
所要
30分〜1時間(大王崎散策とあわせて半日)

D E E P D I V E

深掘り

歴史

歴史

波切神社は志摩市大王町波切に鎮座し、国狭槌神を主祭神とする古社で、境内の一角に「鯨石」が祀られている。観光三重の解説によれば、「昔は、波切でも捕鯨が行われていました。ある日、捕まえた鯨を解体していたら、大きな卵型の石がでてきて漁師達を驚かせました。漁師達は、神のたたりを恐れてその石(鯨石)を波切神社に祀りました」と伝わる。江戸時代初期には波切でも鯨漁が盛んで、解体の際に鯨の腹から出たこの石を、信仰心の篤い漁師たちが神秘的なものと感じ取り、捕鯨の安全を祈って神社に祀ったとされる。(波切神社 | 観光三重, 波切神社 (志摩市) - Wikipedia))

文化的背景

文化的背景

鯨石は、全国に点在する鯨塚・鯨供養塔・鯨石といった捕鯨にまつわる信仰・供養の文化の一例である。捕鯨地では、命を奪った鯨への畏れと感謝、そして祟りを恐れる心意から、鯨を供養し、あるいは鯨にまつわる石や骨を神聖視して祀る習俗が広く見られた。波切の鯨石もまた、鯨の体内から出た石を「神のたたり」と結びつけて祀った点で、こうした捕鯨信仰の系譜に位置づけられる。なお静岡県伊豆半島にも、鯨漁で体内から出た丸石を神社に祀った「鯨石」が複数伝わり、波切の事例と発想を共有している。(鯨塚 - Wikipedia, 波切神社 | 観光三重)

地元視点

地元視点

波切は大王崎の灯台で知られる漁師町で、海の脅威と恵みに向き合ってきた信仰が色濃く残る。波切神社のわらじ祭は、大王島に棲む一つ目片足の巨人ダンダラ法師を、大わらじを編んで海に流すことで追い払ったという伝説に由来し、村の豊漁と安全を祈る秋祭りとして「波切のわらじ曳き」の名で三重県無形民俗文化財に指定されている。鯨石もわらじ祭も、海という巨大な他者に対する畏れと、それを祀り鎮めることで暮らしを守ろうとする漁師町の心意を共有している。(波切神社 | 観光三重, 波切神社 (志摩市) - Wikipedia))

ベストシーズン

ベストシーズン

境内は通年見学可。大王崎の眺望と灯台、波切の漁師町散策とあわせるなら春〜秋の好天時が快適。鯨石は日中の明るい時間帯が見やすい。

撮影のコツ

撮影のコツ

鯨石は台座に据えられ、傍らに「鯨石」と刻んだ標石が立つ。卵型の丸みと表面の質感が分かるよう正面・斜めから寄って撮ると由来が伝わる。標石の文字を画面に入れると説明性が高まる。境内全体や大王崎の海景とあわせると漁師町の文脈が出る。

注意事項

注意事項

境内は信仰の場のため、鯨石や祠に不用意に触れたり、撮影で他の参拝者の妨げにならないよう配慮する。近くの大王崎は岩場・断崖で強風時は危険なため、灯台周辺の散策は足元と天候に注意。漁師町の生活道路は道幅が狭く、車での通行・駐車に注意。

関連作品

関連作品

  • - 三重県無形民俗文化財「波切のわらじ曳き(わらじ祭)」— 鯨石と同じ波切神社に伝わる、巨人伝説由来の祭礼。波切神社 (志摩市) - Wikipedia)
  • - 大王崎の巨人ダンダラ法師伝説 — 波切に伝わる妖怪・巨人譚で、わらじ祭の起源となった。波切神社 | 観光三重
  • - 全国の鯨塚・鯨供養文化 — 捕鯨地に広く分布する鯨への供養・畏敬の習俗。波切の鯨石もこの系譜に連なる。鯨塚 - Wikipedia

トリビア

トリビア

  • - 鯨石は鯨の「体内(腹)から出てきた」と伝わる点が特徴で、単なる供養碑ではなく、鯨そのものに由来する石として祀られている。
  • - 同じ波切神社の「わらじ祭」は、巨人ダンダラ法師を大わらじで追い払った伝説に由来し、三重県無形民俗文化財に指定されている。
  • - 静岡県伊豆半島にも、鯨漁で体内から出た丸石を祀った「鯨石」が複数伝わり、波切と発想を共有している。

外部レビュー

外部レビュー

出典

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