S P O T / SPOT-256
荒神山観音寺
こうじんやま かんのんじ
山号を高神山(こうじんやま)と称する真言宗御室派の古刹で、本尊は秘仏・十一面観世音菩薩。寺伝では弘仁3年(812年)に弘法大師が日本武尊の神霊を仏像として祀り「神事山」と称したのが始まりとされ、寛治元年(1087年)に律師・法陵が観音のお告げによって檜の大樹の下に十一面観音像を見出し堂宇を建立したと伝わる。伊勢西国三十三所観音巡礼の第24番札所。一般には、慶応2年(1866年)に裏山で起きた侠客同士の大規模な私闘「荒神山の喧嘩」(清水次郎長一家の吉良仁吉らが関わったとされる)の舞台として、講談・浪曲・映画で名高い。三代将軍家光の乳母・春日局が篤く信仰し、日天・月天・地天・三宝荒神の四仏とともに、春日局の銘や徳川家戒名を刻んだ梵鐘を寄進したと伝わる。春祭り(春季会式)の4月7日・8日には火渡り神事が行われる。
H I G H L I G H T S
見どころ
- 01「仁侠史上最大の出入り」と語られる荒神山の喧嘩(慶応2年)の舞台という異色の来歴
- 02春日局が寄進したと伝わる、徳川家の戒名・春日局の銘を刻む梵鐘
- 03弘法大師が日本武尊を祀った縁起を持つ山号「高神山」と秘仏・十一面観音
- 04春季会式(4月7日・8日)に行われる火渡り神事
A C C E S S / M E T A
基本情報
- 所在地
- 三重県 鈴鹿市
- 住所
- 三重県鈴鹿市高塚町1777
- 拝観料
- 境内無料(本尊は秘仏)
- 時間
- 境内自由(寺務所は日中)
- 状態
- 現存
- 亀山から
- 車で約20〜25分(亀山市から東名阪自動車道 鈴鹿IC、または国道経由で高塚町へ)。公共交通はJR・近鉄からバス・タクシー(加佐登駅方面)。
- 最寄駅
- JR関西本線・近鉄(加佐登駅方面)
- 駐車場
- あり
- 所要
- 30分〜1時間
D E E P D I V E
深掘り
歴史
歴史
観音寺(荒神山観音寺)は三重県鈴鹿市高塚町にある真言宗御室派の寺院で、山号は高神山(こうじんやま)、本尊は秘仏・十一面観世音菩薩。寺伝によれば、弘仁3年(812年)に弘法大師が日本武尊の神霊を仏像として祀り「神事山(こうじやま)」と称したのが始まりとされる。その後、寛治元年(1087年)に大和国の律師・法陵が、神事山の観音のお告げにより当地の檜の大樹の下に十一面観音像を見出し、堂宇を建立して安置したのが創建と伝わる。伊勢西国三十三所観音巡礼の第24番札所。三代将軍徳川家光の乳母・春日局が篤く信仰し、日天・月天・地天・三宝荒神の四仏とともに、春日局の銘や徳川家の戒名等を刻んだ梵鐘を寄進したと伝わる。観音寺 (鈴鹿市高塚町) - Wikipedia), 荒神山観音寺|伊勢西国三十三所
文化的背景
文化的背景
荒神山観音寺は、本来の観音霊場としての性格と、近世侠客社会の記憶という二つの文脈が重なる稀有な場である。慶応2年(1866年)、寺の裏山で縄張りや賭場の利権をめぐって侠客同士の大規模な私闘「荒神山の喧嘩」が起こり、清水次郎長一家の吉良仁吉が落命したと伝わる。この事件はのちに講談・浪曲・映画で繰り返し語られ、「荒神山」の名は観音霊場としてよりも侠客物語の地名として全国に知られるようになった。信仰の場が、後世の語り物文化によって別の意味づけを獲得した好例であり、聖地と俗世の記憶が同居する民俗的景観を形づくっている。一方で春日局寄進の伝承は、近世初期に大奥・徳川家の信仰を集めた格式ある寺院であったことを示す。観音寺 (鈴鹿市高塚町) - Wikipedia), 荒神山の喧嘩舞台 荒神山観音寺|やんまあ
地元視点
地元視点
地元では「荒神山さん」として親しまれ、春祭り(春季会式)の4月7日・8日には火渡り神事が行われる。鈴鹿市の観光案内でも、春日局寄進と伝わる釣鐘や、荒神山の喧嘩ゆかりの寺として紹介されており、信仰と物語の両面から地域の名所として位置づけられている。近くには吉良仁吉の碑もあり、侠客物語の舞台を巡る訪問者も見られる。荒神山観音寺|観光三重, 吉良仁吉の碑|観光三重
ベストシーズン
ベストシーズン
火渡り神事を見るなら春季会式の4月7日・8日。静かに参拝するなら新緑・紅葉期の好天の日中。
撮影のコツ
撮影のコツ
本堂と、春日局寄進と伝わる梵鐘を安置する鐘楼が定番の被写体。山上の境内からの眺望も開ける。火渡り神事は時間・場所が決まっているため事前確認のうえ、修行者と観衆の妨げにならない位置から。本尊は秘仏のため撮影対象にはならない。
注意事項
注意事項
侠客物語の舞台として有名だが、現役の信仰の場である。本尊は秘仏で常時拝観できない。火渡り神事の日は混雑するため、修行者・参拝者の妨げにならないよう配慮する。梵鐘など文化財・什物には不用意に触れない。
関連作品
関連作品
- - 浪曲・講談「荒神山」(「荒神山の血煙」)— 荒神山の喧嘩を題材とした演目として広く知られる。観音寺 (鈴鹿市高塚町) - Wikipedia)
- - 次郎長・吉良仁吉を扱った任侠映画群 — 荒神山の喧嘩が見せ場として描かれる。荒神山の喧嘩舞台 荒神山観音寺|やんまあ
トリビア
トリビア
- - 「荒神山」という地名・寺名は、観音霊場としてよりも侠客物語「荒神山の喧嘩」の舞台として全国に知られる。
- - 春日局が寄進したと伝わる梵鐘には、春日局の銘や徳川家の戒名が刻まれているという。
- - 本尊の十一面観世音菩薩は秘仏で、伊勢西国三十三所第24番札所にあたる。
外部レビュー
外部レビュー
出典