S P O T / SPOT-249
新北神社(石神さん・桃玉)
にきたじんじゃ
佐賀市諸富町為重に鎮座する古社で、素盞嗚尊を主祭神とし、用明天皇期(586年)の創建と伝える。境内最大の見どころは樹齢約2200年と伝わる御神木ビャクシン(イブキ)で、不老不死の仙薬を求めて来日した徐福が上陸の証に植えたとの伝説をもち、横へ大きく傾いだ幹を支柱で支える姿から「飛龍木」と呼ばれ、県の天然記念物・名木100選に選ばれている。傍らには樹齢約1600年のクスノキも立つ。本殿背後には宮地嶽神社・恵比寿社・稲荷社・淀姫神社など多数の摂末社と石祠群が並び、その一角に「石神さん」と呼ばれる御神体石が祀られる。厄除・八難祓い・縁結び・安産を願意とする祈祷で知られ、桃を厄祓いの呪具とみなす民俗(古事記の桃の魔除け伝承に連なる)に基づいた「桃玉」を石神さんに投じて願掛けする慣習が伝わる。秋の御神幸祭で奉納される三段継の三重の獅子舞は佐賀県重要無形文化財。

H I G H L I G H T S
見どころ
- 01横倒しに近い角度で這う幹を木の支柱で支える、樹齢約2200年の御神木ビャクシン『飛龍木』の異様な造形
- 02本殿背後にひしめく石祠群と、その中心に祀られた御神体石『石神さん』
- 03桃を魔除けの呪具とする民俗に基づき、石神さんへ『桃玉』を投じて願掛けする独特の作法
- 04樹齢約1600年のクスノキの巨木が御神木のすぐ近くに並び立つ
- 05県重要無形文化財・三重の獅子舞(曲芸的な三段継ぎ)が秋の大祭で奉納される
A C C E S S / M E T A
基本情報
- 所在地
- 佐賀県 佐賀市
- 住所
- 〒840-2102 佐賀県佐賀市諸富町大字為重1080
- 拝観料
- 境内自由(参拝無料)。桃玉は社務所にて授与(初穂料の目安1個300円程度)。
- 時間
- 境内自由・通年・無休(御祈祷・授与の対応は社務所受付時間内。事前予約推奨。TEL 0952-47-4848)
- 状態
- 現存
- 亀山から
- 車で約7時間(名阪国道→新名神・名神→中国道・山陽道→九州道・有明海沿岸道路、諸富ICから約4分/約650km)。鉄道では亀山駅→名古屋駅(JR関西本線・快速で約1時間)→東海道・山陽・九州新幹線で博多経由→佐賀駅(合計約5時間半)、佐賀駅から諸富方面はバス・タクシーで約20〜25分。
- 最寄駅
- JR長崎本線「佐賀駅」(直近の鉄道駅。神社へはバス・タクシー利用)
- 徒歩
- 15分
- 駐車場
- あり・無料(乗用車約30台、大型バス5台)
- 所要
- 30分〜1時間
D E E P D I V E
深掘り
歴史
歴史
新北神社(にきたじんじゃ)は、公式の由緒によれば第31代用明天皇の御代・586年の創建で、のち第52代嵯峨天皇の勅使三条大納言郷により再建されたと伝える。社名は鎮座地を古く「三重村新北ヶ里」と呼んだ地名に由来し、北方の出雲国より素盞嗚尊の御分霊を奉斎したことにもちなむという。12世紀前半(1130年頃)の記録では河副荘三郷の崇廟神とされ、現在も3月の粥占(おかゆ占い)で旧河副荘三郷の作柄を占う神事が続く。鍋島藩主代々の崇敬篤く、明治維新以前は大祭の費用を藩から拠出されていた。境内には幕末に日本初の実用蒸気船「凌風丸」を建造した三重津海軍所(世界遺産)が近く、藩の蒸気船出航時には海上安全が祈願されたと伝える。新北神社 公式サイト(ご由緒), 新北神社 - Wikipedia
文化的背景
文化的背景
本社の信仰の核は厄除・八難祓い(あらゆる災厄を祓う祈祷)にあり、桃玉の慣習もこの文脈に位置づけられる。桃は『古事記』で伊邪那岐命が黄泉の追っ手に桃の実を投げて退けた故事に由来する代表的な魔除けの呪具で、桃に「意富加牟豆美命(おおかむづみのみこと)」の神名が与えられたとされる。各地の神社でも厄除桃の信仰は広く見られ、新北神社では境内の御神体石「石神さん」へ桃を象った玉を投じて厄を祓い願をかける作法として受け継がれている。御神木ビャクシンを「飛龍木」と呼び霊木として枝を折ることを固く戒める伝承、樹齢1600年のクスノキ、多数の石祠群とあわせ、巨樹信仰・石神信仰・呪物(桃)の民俗が一つの境内に重層的に堆積している点が民俗学的に興味深い。新北神社 公式サイト(コンセプト), さがの歴史・文化お宝帳 新北神社ビャクシン
地元視点
地元視点
地元では「にきたさん」として親しまれ、為重・石塚・徳富など旧河副荘の各地区が月替わりで清掃や祭事を奉仕する氏子組織が今も機能している。年頭祈祷祭・どんど焼き・廿日恵比須祭・粥占い・夏越大祓・徐福祭・秋季みゆき大祭など年間を通じた祭事が営まれ、安産祈願(戌の日詣り)や七五三など生活儀礼の受け皿でもある。参拝記では、本殿背後に「ものすごくたくさんの神様」が祀られた石祠群と石神さんが強い印象を残すと語られ、御神木ビャクシンの異形とあわせて『見どころが多い神社』として受け止められている。まぐかっぷ:新北神社 後編(参拝記), 新北神社 公式サイト(年間祭事)
ベストシーズン
ベストシーズン
通年参拝可。御神木の威容を順光で撮るなら午前中が良い。三重の獅子舞を観るなら秋季みゆき大祭(10月、年により下旬の土日)。新緑〜初夏は境内の巨樹の緑が映える。
撮影のコツ
撮影のコツ
主役は御神木ビャクシン。横倒しに這う幹全体と『飛龍木』の朱札、支柱までを一画面に収めると異形が際立つ。逆光になりやすい午後より午前の順光が無難。石神さんと石祠群は本殿背後にあり薄暗いので、無理に発光させず三脚や手すりを使う。石祠・桃玉投げは信仰の場のため、他の参拝者の祈りを妨げないよう静かに撮影する。
注意事項
注意事項
現役の信仰の場であり、石神さんや石祠群は神域。桃玉投げは社務所で授与を受けたうえで作法に従い、御神体石や祠に乱暴に物を当てない。御神木は『枝を折れば神罰を蒙る』と固く戒められており、触れたり登ったりしない。御祈祷・特別な授与は事前予約が望ましい(TEL 0952-47-4848)。CSVの所在地(大和町川上)・座標は誤りで、正しくは諸富町為重1080(本記載の座標)。
関連作品
関連作品
- - 佐賀市観光協会 公式ポータル「サガバイドットコム」— 新北神社と三重の獅子舞、御神木ビャクシンを紹介。サガバイドットコム 新北神社
- - さがの歴史・文化お宝帳(佐賀県)— 新北神社ビャクシンを県の名木・天然記念物として収録。さがの歴史・文化お宝帳
- - 全国ロケーションデータベース(国立映画アーカイブ)— 新北神社をロケ地として登録。全国ロケーションデータベース 新北神社
トリビア
トリビア
- - 御神木ビャクシンは「日本三大飛龍木」の一つに数えられるとされ、徐福が上陸の証に植えたとの伝説をもつ(樹齢約2200年)。
- - 桃を魔除けとする発想は『古事記』の伊邪那岐命の桃投げ故事に遡り、桃には「意富加牟豆美命」の神名が与えられている。
- - 秋の御神幸祭で奉納される三重の獅子舞は曲芸的な三段継ぎで、佐賀県重要無形文化財。約600年前に越後から伝わったと伝える。
- - 諸富町は幕末に日本初の実用蒸気船『凌風丸』を建造した三重津海軍所跡(世界文化遺産)の地で、新北神社とも縁が深い。
外部レビュー
外部レビュー
出典