S P O T / SPOT-230
続石
つづきいし
遠野市綾織の山中にある巨石遺構で、二つ並んだ台石の上に幅約7メートル・奥行き約5メートル・厚さ約2メートルとされる巨大な笠石が水平に載り、その下を鳥居のように人が通り抜けられる。笠石は片側の台石にしか接していないように見えるという独特の不安定な造形で知られ、遠野市指定天然記念物に指定されている。柳田國男『遠野物語』第91話には山神が遊ぶ場としての続石が、『遠野物語拾遺』第11話には武蔵坊弁慶が笠石を積んだという伝説とともにドルメン(支石墓)に似た構造であることが記されている。脇には巨岩を載せられるのを嫌って泣いたと伝わる「泣き石」が立ち、磐座(いわくら)信仰と巨石伝承が重なる場として位置づけられている。亀山市からは遠方だが、遠野物語の世界観を体感できる代表的な遺産のひとつ。

H I G H L I G H T S
見どころ
- 01二つの台石に載った巨大な笠石が鳥居状に人を通す、磐座そのものの異形
- 02笠石が片側の台石にしか接していないように見える不安定で印象的な造形
- 03脇に立つ「泣き石」と弁慶伝説・ドルメン説が重なる民俗的厚み
A C C E S S / M E T A
基本情報
- 所在地
- 岩手県 遠野市
- 住所
- 〒028-0533 岩手県遠野市綾織町上綾織6地割
- 拝観料
- 無料
- 時間
- 見学自由(日中推奨)
- 状態
- 現存
- 亀山から
- 車+新幹線で片道約8〜9時間(亀山→名古屋→東北新幹線新花巻→釜石線遠野駅→車で約15分)。日帰りは非現実的で1泊以上推奨。
- 最寄駅
- JR釜石線「遠野駅」
- 駐車場
- あり・無料(登山口に駐車スペース)
- 所要
- 往復+見学で約45分〜1時間
D E E P D I V E
深掘り
歴史
歴史
続石は岩手県遠野市綾織町上綾織の山中にある巨石遺構で、遠野市指定天然記念物に指定されている。遠野市観光協会の解説によれば、二つ並んだ石の上に「幅7メートル、奥行き5メートル、厚さ2メートルほど」の笠石が載り、大人が余裕で通れる高さの隙間がある。柳田國男『遠野物語』第91話には、続石で遊ぶ山神の邪魔をした鷹匠が谷底へ落とされ、山の神の祟りで三日後に死んだという挿話が記される。さらに『遠野物語拾遺』第11話には、二つ並んだ六尺ほどの台石の上に幅一間半・長さ五間ほどの大石が横に載り、その下を人が通り抜けられること、学者の言うドルメン(支石墓)によく似ていることが述べられている。続石 - 遠野時間(遠野市観光情報), 続石とは - NEFT
文化的背景
文化的背景
続石は、人為的な構築か自然の所産かが判然としないまま信仰の対象となってきた巨石で、日本各地に見られる磐座(いわくら=神が宿るとされる岩)信仰の文脈に位置づけられる。台石の脇には小祠が祀られ、信仰の場として現在も維持されている。『遠野物語拾遺』が指摘するドルメン(支石墓)との類似は、考古学的な墓制との関連を想起させる一方で、確証はなく伝承の域にとどまる。柳田國男が遠野の口承を集成した『遠野物語』を通じて広く知られるようになり、巨石・山神・祟りという要素が結びつくことで、自然信仰と物語が一体化した民俗的景観を形づくっている。続石 - 遠野時間, 続石とは - NEFT
地元視点
地元視点
遠野市観光協会は続石を市指定天然記念物・遠野遺産として案内し、駐車場から山道を約15分登った先にあること、熊出没の可能性があるため熊鈴などの対策が望ましいことを周知している。地元では『遠野物語』に登場する数多くの伝承地のひとつとして、語り部文化や遠野遺産の取り組みのなかで紹介され、季節を問わず訪れる人が絶えない。続石 - 遠野時間, 続石 クチコミ・アクセス - フォートラベル
ベストシーズン
ベストシーズン
新緑〜初秋の日中。山道を15分ほど登るため、明るい時間帯で天候の安定した日が望ましい。
撮影のコツ
撮影のコツ
笠石が台石に載る接点が見える斜め前方からのアングルが、巨石の不安定さを最も強調できる。手前に「遠野市指定天然記念物 続石」の石標と小祠を入れると規模感が伝わる。木立に囲まれ光が回りにくいため、晴天時の順光が撮りやすい。
注意事項
注意事項
信仰の対象である磐座のため、笠石によじ登ったり供物・小祠に触れたりせず、静かに見学する。山道は足元が悪く、熊出没の可能性があるため熊鈴等の対策と歩きやすい靴を推奨。単独・夕暮れ以降の入山は避ける。
関連作品
関連作品
- - 柳田國男『遠野物語』(1910年)第91話 — 続石で遊ぶ山神と鷹匠の挿話。続石とは - NEFT
- - 柳田國男『遠野物語拾遺』第11話 — 続石の構造、弁慶伝説、ドルメンとの類似に言及。続石とは - NEFT
- - 遠野遺産・語り部による口承継承 — 遠野市の文化観光の柱として続石を含む伝承地を紹介。続石 - 遠野時間
トリビア
トリビア
- - 笠石には武蔵坊弁慶の足形と伝わるくぼみが残るとされる。
- - 弁慶が最初に笠石を載せた別の台石が、永遠に下敷きになるのを嫌って泣いたため置き直したという「泣き石」が脇に立ち、今も雫を垂らすと伝わる。
- - 『遠野物語拾遺』はこの構造を「学者の言うところのドルメンによく似ている」と記す。
外部レビュー
外部レビュー
出典