S P O T / SPOT-228
恐山菩提寺
おそれざんぼだいじ
下北半島の活火山・恐山の火口湖(宇曽利山湖)畔に建つ曹洞宗の霊場寺院。伝承では貞観4年(862年)に天台僧・円仁(慈覚大師)が開いたとされ、現在は本尊に延命地蔵尊を祀る。硫黄を噴く荒涼とした岩肌が広がる境内は古来「賽の河原」「地獄」「極楽浜」になぞらえられ、死者供養と他界観の民俗を凝縮した日本三大霊場の一つとして知られる。境内には湧出する温泉小屋もあり、参拝者は無料で入浴できる。例大祭・秋詣りの折にはイタコによる口寄せが行われることでも有名で、死者と生者の境を意識させる独特の宗教空間を今に伝えている。

H I G H L I G H T S
見どころ
- 01硫黄を噴く白い火山地形が一面に広がる「賽の河原」「極楽浜」の異界的景観
- 02風車・小石を積む供養の風習が境内のいたるところに見られる死者供養の民俗
- 03例大祭・秋詣りに行われるイタコの口寄せという口承文化
A C C E S S / M E T A
基本情報
- 所在地
- 青森県 むつ市
- 住所
- 〒035-0021 青森県むつ市田名部字宇曽利山3-2
- 拝観料
- 入山料500円(小中学生200円)
- 時間
- 5月1日〜10月31日 6:00〜18:00(入山受付16:30まで)、11〜4月は閉山
- 状態
- 現存
- 亀山から
- 鉄道+バスで片道約9〜10時間(新幹線で八戸・新青森乗継→大湊線下北駅→恐山行バス約40分)。現実的には飛行機(中部国際空港→三沢/青森空港)利用が一般的。
- 最寄駅
- JR大湊線「下北駅」
- 駐車場
- あり・無料・大型可
- 所要
- 1.5〜2.5時間
D E E P D I V E
深掘り
歴史
歴史
恐山は下北半島中央部に位置する活火山で、その火口原に建つのが曹洞宗の菩提寺(恐山菩提寺)である。伝承では開山は862年(貞観4年)、開祖は天台宗を開いた最澄の弟子・円仁(慈覚大師)と伝えられる。現在の宗派は曹洞宗で、本坊はむつ市田名部の円通寺、本尊は延命地蔵尊である。火山ガスが噴き出す荒涼とした地形は古くから死者の世界に見立てられ、宇曽利山湖畔の砂浜は「極楽浜」、岩礫地は「賽の河原」と呼ばれてきた。日本三大霊場の一つに数えられる。恐山 - Wikipedia, 霊場恐山 - むつ市, 恐山霊場/恐山菩提寺 - Amazing AOMORI
文化的背景
文化的背景
恐山は、亡き人を「山」に送り供養するという日本の他界観・山中他界の信仰を典型的に示す場である。境内に積まれた小石や、風に回る無数の風車は、幼くして亡くなった子の供養(賽の河原の伝承)と結びつく。湧出する温泉に身を浸して身を清める習俗も残る。死者を呼び寄せる口寄せの巫女=イタコは、もともと恐山に常在していたわけではなく、例大祭・秋詣りの時期に集まって口寄せを行う。なお現行のイタコ参加は戦後に定着したものとされ、信仰の形が時代とともに変化してきたことを示す。恐山 - Wikipedia, 霊場恐山 - むつ市
地元視点
地元視点
むつ市は恐山を市の代表的な文化・観光資源として位置づけ、開山期間や大祭の情報を公式に発信している。地元では物見遊山の対象である以前に、肉親を亡くした人が供養に訪れる祈りの場という性格が強い。観光・取材にあたっては、供養に来た参拝者への配慮が求められる。霊場恐山 - むつ市, 恐山霊場/恐山菩提寺 - Amazing AOMORI
ベストシーズン
ベストシーズン
開山期間(5〜10月)。例大祭は7月20〜24日、秋詣りは10月の体育の日を含む三連休。新緑・初夏が天候も安定し参拝しやすい。
撮影のコツ
撮影のコツ
本堂や山門越しに宇曽利山湖と荒涼とした火山地形を画面に入れると、霊場特有の対比が出る。極楽浜のエメラルドグリーンの湖水と白い砂は晴天順光が映える。供養に来た参拝者や個人が特定できる撮影は避け、火山ガスの濃い場所では立ち止まりすぎない。
注意事項
注意事項
活火山であり火山ガス(硫化水素等)が噴出する。体調の優れない人・小さな子ども連れは滞在時間に注意し、ガスの滞留しやすい窪地に長居しない。供養の場であることを忘れず、積み石や風車などの供養物には手を触れない。冬季(11〜4月)は閉山。
関連作品
関連作品
- - 太宰治『津軽』ほか、下北・恐山を題材にした文学が複数ある。恐山は東北の他界観を語るうえでしばしば参照される。恐山 - Wikipedia
- - イタコの口寄せは民俗学・宗教学の研究対象として多くの論考で扱われてきた。恐山 - Wikipedia
トリビア
トリビア
- - 日本三大霊場(諸説あるが恐山・比叡山・高野山などが挙げられる)の一つに数えられる。
- - 境内には無料で入れる温泉小屋があり、参拝者が湯あみできる。
- - 火山活動による硫黄泉のため、湖や川には魚がほとんど棲まないとされ、それも「あの世」の景観として語られてきた。
外部レビュー
外部レビュー
出典