S P O T / SPOT-220
與止日女神社(川上神社・通称:淀姫さん)
よどひめじんじゃ
佐賀県佐賀市大和町大字川上に鎮座する與止日女神社は、欽明天皇25年(西暦564年)創建と伝わる肥前国一宮の古社である。御祭神は水神・川神として崇敬される與止日女命で、神功皇后の妹君あるいは豊玉姫と同一神とも伝えられる。『肥前国風土記』では「石神世田姫」と記され、嘉瀬川(古称・川上川)の水源を司る石神信仰として成立した可能性が指摘されている。境内には樹齢約1450年とされる御神木の大楠、子宝祈願の対象である「金精様(石神様)」、室町時代後期造営の西門(県指定重要文化財)、慶長13年造営の肥前鳥居(市指定重要文化財)などが残る。また当地では古来よりナマズを御祭神の神使として食べない禁忌が伝わり、現在も民俗として息づく。なお、当スポット名に含まれる「桃玉」と称される授与品については、本調査では確実な公的記載を確認できなかった。地元授与品の可能性があるが、来訪前に社務所への確認が望ましい。川上峡の景勝と一体化した佐賀屈指の信仰スポットである。

H I G H L I G H T S
見どころ
- 01朱塗りの楼門と慶長13年(1608年)造営の肥前鳥居(市指定重要文化財)
- 02境内に聳える樹齢約1450年とされる御神木の大楠(高さ約30m・幹周27m級)
- 03嘉瀬川(川上峡)に面した古社の景観と、文化13年(1816年)鍋島家再建の本殿
- 04子宝・安産祈願の対象「金精様(石神様)」と、ナマズを神使とする地域民俗
- 05県指定重要文化財の西門(元亀4年・1573年造営の四脚門)
A C C E S S / M E T A
基本情報
- 所在地
- 佐賀県 佐賀市
- 住所
- 佐賀県佐賀市大和町大字川上1-1(住所表記により大字川上3466付近)
- 拝観料
- 境内無料。御朱印・祈祷・授与品は別途。「桃玉」と称される授与品の有無・料金は社務所で要確認(当方調査では公的な記載未確認)。
- 時間
- 境内自由。社務所・授与所は概ね9:00〜16:30頃(行事日により変動、要事前確認)。
- 状態
- 現存・参拝可
- 亀山から
- 亀山ICから新名神・名神・新幹線(新大阪→博多)経由で博多駅約3時間、博多駅から特急かもめ・JR長崎本線で佐賀駅まで約40分、佐賀駅から昭和バス「川上橋」下車徒歩3分、または駅からタクシー約20分。自家用車のみなら亀山IC→中国道・九州道・長崎自動車道 佐賀大和IC経由で約9〜10時間(高速料金別途)。総じて鉄道+レンタカーが現実的。
- 最寄駅
- JR佐賀駅(佐賀駅からタクシー約20分/バス約30分)
- 徒歩
- 3分
- 駐車場
- 境内駐車場あり(約30台、無料)
- 所要
- 45分〜1時間30分(御朱印・祈祷を含めると2時間程度。川上峡散策と合わせるなら半日)
D E E P D I V E
深掘り
歴史
歴史
與止日女神社の創建は『肥前国風土記』逸文に基づき、欽明天皇25年(西暦564年)11月1日と伝えられる(Wikipedia 與止日女神社、佐賀県神社庁 與止日女神社)。延長5年(927年)の『延喜式神名帳』には肥前国佐嘉郡の式内社として記載され、応保年間(1161–1163年)以降は肥前国一宮として崇敬を集めた(Shrine-heritager 與止日女神社)。亀山朝の弘長元年(1261年)には正一位の神階を授けられたとされる(さがの歴史・文化お宝帳 河上神社)。中世には千栗八幡宮と肥前一宮の地位を巡る紛争が約60年続いた(Wikipedia)。現本殿は文化13年(1816年)に佐賀藩鍋島家によって再建されたもの(九州の神社)。河上神社文書14巻(247通、平安〜安土桃山)は国指定重要文化財、西門は元亀4年(1573年)造営の四脚門で県指定重要文化財、三の鳥居は慶長13年(1608年)造営の肥前鳥居で市指定重要文化財に指定されている(Wikipedia)。なお、当社は地元で「淀姫さん」「川上神社」「河上神社」とも呼ばれる。
文化的背景
文化的背景
御祭神は與止日女命(よどひめのみこと)。神功皇后の妹君とも、神武天皇の祖母・豊玉姫と同一神とも伝えられる水神である(與止日女神社公式)。『肥前国風土記』では「石神世田姫」と記され、川上川(嘉瀬川)の水源を司る石神信仰として成立したと考えられている(ひもろぎ逍遥 ヨド姫三社めぐり)。同書には「この河上に石神あり。名を世田姫と曰う。海の神(鰐魚)潮を逆らえて、その神所に到る」との記述があり、海と川を結ぶ水神祭祀の古層を示す。境内右手に祀られる「金精様(石神様)」は男根状の自然石を御神体とし、子宝・安産祈願の対象として撫でて参拝する習俗が伝わる(九州の神社、Shrine-heritager)。なお当該スポット名に含まれる「桃玉」については、当社の授与品として公的に紹介された記載を本調査では確認できなかった。地元では厄除けや子授け祈願の郷土的授与品として扱われている可能性があるが、確実な出典に依拠する場合は社務所への直接確認を要する。
地元視点
地元視点
嘉瀬川(古称・川上川)流域の住民にとって、當社は今もなお「淀姫さん」と親しまれる氏神である。最も特徴的な民俗が「ナマズを神の使いとして食べない」という禁忌で、現在も地域の食文化・祭祀文化に残る(Wikipedia、佐賀市公式 與止日女神社)。『肥前風土記』には「或は人捕り食へば死ぬこと有り」とまで記され、神使を侵すことへの畏怖がうかがえる。川上峡は4月の鯉のぼり吹流しでも知られ、神社・峡谷・古湯温泉が一体の観光・信仰圏を成している(佐賀市公式 川上峡)。例祭は春(4月18日)と秋(11月18日)の年2回、「おくんち」は10月10日に行われ、近郷の氏子が参集する(九州の神社)。
ベストシーズン
ベストシーズン
午前9時〜午後3時。社務所の対応時間内で、樹木の陰影が深くなる前の時間帯。例祭日(4月18日・11月18日)は神事見学が可能だが混雑する。川上峡の桜・新緑・紅葉と合わせるなら午前中の順光が望ましい。
撮影のコツ
撮影のコツ
西門(県指定重文)の四脚門は逆光になりやすいため午前中の参拝順路を推奨。御神木の大楠は根本から見上げる構図が映えるが、社殿との一体構図は引き構図が必要。金精様の撮影は信仰対象のため、参拝者が映り込まないタイミングと節度ある画角を選ぶ。川上橋越しの社叢は対岸の遊歩道からの中望遠が美しい。
注意事項
注意事項
金精様(石神様)は子宝祈願の信仰対象であり、撫でる際は手を清めること。撮影は可だが、他の祈願者に配慮する。社務所での御朱印・祈祷受付は時間内のみ。境内および御神木の楠は文化財・天然記念物に準ずる扱いのため、登攀・接触禁止。ナマズに関する地域習俗を侮るような言動は避ける。私有地は神社敷地内のみ、隣接民家・農地への立ち入り厳禁。スポット名に含まれる「桃玉」の有無は社務所で要確認。
関連作品
関連作品
- 『肥前国風土記』(岩波文庫『風土記』所収)/ 谷川健一編『日本の神々 神社と聖地 第1巻 九州』白水社 / 佐賀県教育委員会『佐賀県の文化財』各巻 / 川上峡を扱った郷土史誌『大和町史』
外部レビュー
外部レビュー
出典
出典
R E F E R E N C E
参考リンク
- https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%88%87%E6%AD%A2%E6%97%A5%E5%A5%B3%E7%A5%9E%E7%A4%BE
- https://saga-jinjacho.jp/%E8%88%87%E6%AD%A2%E6%97%A5%E5%A5%B3%E7%A5%9E%E7%A4%BE/
- https://www.city.saga.lg.jp/main/4769.html
- https://yodohime-jinja.jimdofree.com/
- https://www.saga-otakara.jp/search/detail.html?cultureId=2102
- https://shrineheritager.com/yodohime-shrine/
- https://www.kyushu-jinja.com/saga/yodohime-jinja/index.php
- https://www.asobo-saga.jp/spots/detail/ab0fdf6a-81ba-433a-b65c-9af76a058634