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名鑑喜宝院蒐集館

S P O T / SPOT-147

土俗・奇祭

喜宝院蒐集館

きほういんしゅうしゅうかん

沖縄県竹富島に位置する喜宝院(浄土真宗本願寺派・日本最南端の寺院)に併設された私設民俗博物館。1957年に開設した初代院主・上勢頭亨(1910〜1984年)が少年時代から60年以上かけて収集した竹富島の民芸品・生活用具・祭り道具など約4000点を展示する。このうち竹富島の伝統的生活用具842点が「竹富島の生活用具」として2007年3月7日に国の登録有形民俗文化財(沖縄県初)に登録された。展示物にはカイダー字(象形文字)、藁算、B円(米軍政期の軍票)、ぱなり焼、八重山各祭りの仮面(お面)、伝統的霊柩車などが含まれ、八重山の文化史を包括的に伝える内容である。石垣島からフェリーで約15分(竹富港)、港から徒歩約20分またはレンタサイクル約10分。

N O P H O T O

H I G H L I G H T S

見どころ

  • 01842点が国の登録有形民俗文化財(沖縄県初)に登録された、日本最南端寺院の私設民俗博物館
  • 02カイダー象形文字・藁算・B円・ぱなり焼など消えゆく八重山文化の実物を集約した展示
  • 03八重山各祭りの仮面が天井まで並ぶ圧倒的な展示空間

A C C E S S / M E T A

基本情報

所在地
沖縄県 八重山郡竹富町
住所
〒907-1101 沖縄県八重山郡竹富町字竹富108
拝観料
大人300円、小中学生150円
時間
9:00〜17:00(種子取祭のみ休館)
状態
現存
亀山から
車+航空機+フェリーで約7時間以上(三重県亀山市→伊勢自動車道→中部国際空港または関空→石垣島→石垣離島ターミナルからフェリー約15分→竹富港→徒歩約20分)。

D E E P D I V E

深掘り

歴史

歴史

喜宝院は1957年(昭和32年)に上勢頭亨(うえせど・とおる、1910〜1984年)が開設した浄土真宗本願寺派の寺院で、日本最南端かつ最西端の仏教寺院とされる(Wikipedia)。亨は竹富島生まれで幼少期から喘息を患い島外での就労が困難であったが、その分を地元の年寄りから話を聞き、民芸品や生活用品を受け取ることに費やした。1933年頃に鹿児島から来た藤井深遠師に師事して仏弟子となり、1949年に竹富島で布教を開始、喜宝院という寺名を藤井師から授かった(彼岸寺インタビュー)。蒐集館は1963年(昭和38年)に開館し、亨が収集した約4000点の民俗資料を展示している(Wikipedia)。2007年3月7日、収蔵品のうち竹富島の伝統的生活用具842点が「竹富島の生活用具」として国の登録有形民俗文化財に登録された(沖縄県で初めての国指定有形民俗文化財)(石垣島ツアーズ)。亨は1984年に逝去し、その後は長女の上勢頭同子氏が2代目院主として継承、現在に至る(彼岸寺)。

文化的背景

文化的背景

竹富島は沖縄の原風景とも称されるサンゴの石垣と白砂の路地が保存された集落構造を持ち、住民主体の「竹富島憲章」によって景観保全が図られてきた。蒐集館の展示物は単なる民俗品の集積ではなく、八重山における固有の文字体系(カイダー字)・計算体系(藁算)・焼物文化(ぱなり焼)・音楽(古謡・三線)・祭礼(種子取祭・アンガマ等)・信仰(位牌壇)・経済史(B円・物々交換)を体系的に伝える記録装置である。特にカイダー字は文字を持たない社会が独自に発展させた象形文字体系として民俗学・言語学的関心が高く(たのしま)、沖縄本島とも異なる八重山文化圏の独自性を示す重要な資料である。

地元視点

地元視点

上勢頭亨は民俗研究・自然保護・文化継承において竹富島の精神的指導者として広く尊敬を集め、「竹富島誌」(法政大学出版局)を著した(彼岸寺)。蒐集館の展示物は「単なる展示」ではなく、島の伝統行事で実際に使用する霊柩車など今も貸し出しに応じている点が特徴的で、生きた文化財として機能している(同前)。竹富島では観光化が進む一方、喜宝院・蒐集館は商業観光とは一線を画す民俗文化の核として地域社会に根付いており、沖縄県初の国指定有形民俗文化財登録は島の文化的価値の対外的な承認として受け止められている(おきなわ物語)。

ベストシーズン

ベストシーズン

種子取祭(タネドゥリ、毎年旧暦9月〜10月頃)の時期は休館。春〜夏が竹富島全体の訪問適期。午前中訪問が住職の解説を聞ける可能性が高い(団体ツアー時間帯に合わせた解説あり)。

撮影のコツ

撮影のコツ

館内は天井まで展示物が並ぶため、縦位置構図で奥行きを出すと展示の密度が伝わる。八重山の祭り仮面が並ぶ壁面は俯瞰できないため、正面からの水平構図で列を捉えるとよい。撮影許可については受付時に確認すること。

注意事項

注意事項

種子取祭期間中は休館。石垣島からフェリー(安栄観光・八重山観光フェリー)利用が必須(徒歩不可の離島)。竹富港から徒歩約20分・レンタサイクル約10分。受付者が不在の場合は入口の籠に入館料を入れる形式をとることがある(石垣島ツアーズ)。

関連作品

関連作品

  • - 上勢頭亨著『竹富島誌』(法政大学出版局、民俗編・歌謡編 上下2巻)
  • - 上勢頭亨著『喜宝院来歴』(私家版手製冊子、1978年)
  • - 「竹富島の生活用具」国登録有形民俗文化財(文化庁、2007年)
  • - 彼岸寺「世界で一番美しい島に日本最南端の寺を訪ねて」(higan.net、2019年)
  • - Wikipedia「喜宝院」「上勢頭亨」各項

トリビア

トリビア

  • - 2代目院主・上勢頭同子氏は島の古謡・三線・踊りの伝承者でもあり、竹富島の文化継承に積極的に携わっている。
  • - 蒐集館の入館料(大人300円)は、文化財施設としては非常に低額に設定されており、島への訪問者への門戸を広く開く方針が伺える。
  • - 竹富島全体が「重要伝統的建造物群保存地区」(1987年選定)に指定されており、蒐集館もその文化的景観の一部として機能している。

外部レビュー

外部レビュー

出典

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