S P O T / SPOT-143
十宝山大乗院(鬼のミイラ)
じっぽうざんだいじょういん(おにのみいら)
大分県宇佐市四日市にある十宝山大乗院は、境内の厨子に安置された「鬼のミイラ」で知られる真言宗系の寺院。ミイラは座高約1.4m(立てば2mを超えると推定)、手足の指はいずれも3本、額に長さ5cmの角が生え、目が落ち窪み、口が半開きになった独特の形状を持つ。「鬼さん」と地元で親しまれ、信仰対象として安置されている。大正14年(1925年)に檀家が下関市での売買証書に品名「鬼形骨」と記された状態で5500円で購入し、昭和4〜5年頃に原因不明の病に罹ったことを契機に寺に寄贈したと伝わる。昭和初期に九州大学で鑑定が行われ、「女性の人骨と動物の骨で構成されているのでは」との見解が示されたが、現在も正体は特定されていない。寺へは境内入口から108段の急石段を上る。撮影は禁止。宇佐ICから車で約5分。
H I G H L I G H T S
見どころ
- 01座高1.4m・3本指・5cmの角を持つ正体不明の「鬼のミイラ」が厨子に安置
- 02大正時代に5500円で購入され、昭和初期に九州大学で鑑定された経緯を持つ
- 03108段の急石段を上った先にある小さな寺に、地元で「鬼さん」と呼ばれ祀られている
A C C E S S / M E T A
基本情報
- 所在地
- 大分県 宇佐市
- 住所
- 〒872-0014 大分県宇佐市大字四日市3761
- 拝観料
- 拝観料100円
- 時間
- 9:00〜16:00(無休)
- 状態
- 現存
- 亀山から
- 車で約4時間(伊勢自動車道→東名阪→名阪国道→西名阪→阪神高速→大分道→宇佐IC、約350km)。または新幹線と特急を乗り継いで宇佐駅下車後、タクシー約10分。
D E E P D I V E
深掘り
歴史
歴史
十宝山大乗院は宇佐市四日市に所在する小寺で、創建年代は不詳。伝承によれば、安置される「鬼のミイラ」は元々ある家の所有物であり、大正14年(1925年)に大乗院の檀家が下関市での売買を示す証書(品名「鬼形骨」)に基づき5500円で購入したとされる(日本伝承大鑑・japanmystery.com)。購入直後から檀家が原因不明の病に倒れ、昭和4〜5年頃にミイラを寺へ寄贈した途端に回復したとも語られる。住職は「子供の頃に山で出会った鬼が帰ってきた」と話したという(同前)。昭和初期、九州大学による鑑定では「女性の人骨と動物の骨で構成されているのでは」との見解が示されたが、正体は確定していない。現在は信仰の対象として本堂に安置されており、寺院の公式的な宝物として展示されているのではなく、あくまでも「持仏」として扱われている(宇佐市公式)。テレビで複数回放映されたことで全国的に知られるようになり、休日には遠方からの参拝者も訪れる(同前)。
文化的背景
文化的背景
「鬼形骨」という売買証書上の名称が示すように、このミイラは近代以前から「鬼」として流通・売買された民俗的な「珍物」の一例と位置付けられる。江戸後期から明治期にかけて、人魚・河童・鬼の類のミイラが各地で寺社に寄贈・展示された例は複数知られており、多くは剥製技術を応用して複数の動物骨・皮・毛を組み合わせて造型されたものとされる(japanmystery.com)。しかし大乗院のミイラは「寺宝としての展示」ではなく、住職や地域住民が「鬼さん」と呼んで信仰対象とし続けている点において、民俗信仰の文脈で捉えるべき存在である。鬼を「異界から来た使者・守護者」として祀る信仰形態は、東北・九州各地に事例がある。
地元視点
地元視点
宇佐市観光・ブランド課が公式観光情報として紹介しており(宇佐市公式)、市の観光スポット一覧に掲載されている。大分県観光情報公式サイト「visit-oita.jp」にも掲載があり(visit-oita.jp)、地域の観光資源として位置付けられている。ただし寺は無住または管理者が対応しており、拝観時間内は本堂扉が開いていて自由に参拝できる形態をとっている(Omairi)。「鬼さん」という呼称が示すように、地域社会にとっては怪奇な存在ではなく、土地に根差した信仰対象として受け止められている。
ベストシーズン
ベストシーズン
年中無休で9:00〜16:00。混雑は少なく、平日・休日問わず訪問できる。夏の午前中が石段登りには快適。
撮影のコツ
撮影のコツ
境内での撮影は可能だが、ミイラ本体の撮影は禁止(MapFan情報)。108段の石段と本堂外観は撮影可能。石段下から見上げる構図が参道の雰囲気を伝えやすい。
注意事項
注意事項
ミイラ本体の写真撮影は禁止。境内は急石段(108段)があり、足腰に不安のある方は注意。無住寺院のため受付対応は最小限。駐車場は10〜15台程度(無料)。
関連作品
関連作品
- - 『日本伝承大鑑』十宝山大乗院の項(japanmystery.com、2024年更新)
- - 全国ロケーションデータベース収録(NFAJ)
- - テレビ番組複数回放映(番組名・放映年は未確認)
- - 『日本の珍スポット大全』(各社ガイド本への掲載多数)
トリビア
トリビア
- - 売買証書上の品名「鬼形骨」という名称が残っており、近代の珍物売買の一例として史料的価値がある。
- - 九州大学鑑定の詳細記録は現在のところ公開されていない。
- - 宇佐神宮(八幡総本社)から車で数分の距離にあるが、宇佐神宮とは無関係の小寺。
- - 参拝時は石段外のお地蔵さん・本堂のご本尊の順に参拝することが推奨されているという(フォートラベル)。
外部レビュー
外部レビュー
出典