異界巡礼

BIZARRE JAPAN

名鑑養老天命反転地

S P O T / SPOT-005

B級・カオス

養老天命反転地

ようろうてんめいはんてんち

世界的芸術家・荒川修作とマドリン・ギンズが1994年に完成させた「人間の体験を根本から問い直す」アート庭園。18,000㎡の楕円形窪地に5つの「日本列島」があり、148の回遊路が交差する。斜面だらけで地面が安定せず、訪れる人が次々と転倒する「転ぶために来る場所」。「死なないための建築」を謳いながら、実際には「歩けない」空間を生み出した逆説的傑作。B級スポットとしても、現代アートとしても一生に一度は体験すべき場所。

養老天命反転地
Wikimedia Commons / おはぐろ蜻蛉 / CC BY-SA 3.0

H I G H L I G H T S

見どころ

  • 01平坦な地面がほぼない「転ぶために来る場所」
  • 02初めて見ると「これは何を目的に作ったのか」と本気で困惑する
  • 03健常者でも歩行に苦労する全員平等のバリアフル設計

A C C E S S / M E T A

基本情報

所在地
岐阜県 養老郡養老町
住所
〒503-1267 岐阜県養老郡養老町高林1298-2
拝観料
大人850円
時間
9:00〜17:00(入場16:30まで)火曜定休
状態
現存
亀山から
車で約50分(東名阪→名阪国道)
最寄駅
養老鉄道「養老駅」
徒歩
15分
駐車場
あり・無料(養老公園駐車場)
所要
1〜2時間

D E E P D I V E

深掘り

歴史

歴史

養老天命反転地は、岐阜県養老町の養老公園内にある体験型アート作品で、荒川修作とマドリン・ギンズが構想し、1995年に公開された(養老町公式、Reversible Destiny Foundation)。公式解説では、18,100㎡規模の敷地に「極限で似るものの家」と楕円形の「フィールド」、それらを結ぶ「死なないための道」が配置され、148の回遊路や5つの日本地図が組み込まれている(Reversible Destiny Foundation, artscape)。一方、養老町史では1995年に養老公園へ誕生した施設とされ、養老公園自体は明治13年開園の歴史を持つ(養老町公式)。背景には、養老の滝と親孝行伝説、さらには養老改元に結びつく地名伝承があり、土地の記憶を現代芸術へ接続した点に特徴がある(養老町公式、Wikipedia)。

文化的背景

文化的背景

民俗学的には、養老の滝伝説と「養老改元」の土地イメージを下敷きに、身体感覚を揺さぶる現代アートとして再編された場所といえる(養老町公式、Reversible Destiny Foundation)。宗教施設というより、日常の歩行や平衡感覚を崩すことで「当たり前」を疑わせる装置であり、地域の観光資源と現代美術の実験場が重なって成立した。今日では、観光・教育・アート体験を兼ねる地域文化資源として機能している(artscape)。

地元視点

地元視点

地元では養老公園の目玉の一つとして案内され、養老駅から徒歩圏の観光施設として親しまれている(養老町公式、artscape)。一方で、訪問記では「危ない」「転びやすい」と語られることも多く、地元側でも安全に楽しむ体験型施設としての注意喚起が前提になっている(Ameba、はてなブログ)。

ベストシーズン

ベストシーズン

晴天の春か秋の午前中。足元が見やすい平日が歩きやすい。

撮影のコツ

撮影のコツ

楕円形フィールドの高低差が出る斜面は、広角で奥行きを強調すると映える。『極限で似るものの家』は床と天井の対比を斜め構図で。撮影禁止情報は公式ページで事前確認。

注意事項

注意事項

足元が非常に不安定なので、歩きやすい靴が必須。柵や注意表示は必ず守り、無理な登攀や走行は避ける。写真撮影は周囲の来園者の安全を優先し、立ち入り禁止区域には入らない。

関連作品

関連作品

  • - 『荒川修作+マドリン・ギンズ 死なないために 養老天命反転地』展カタログ(岐阜県美術館、1999)
  • - 『現代思想』1996年8月臨時増刊号(青土社、1996)
  • - 『荒川修作の軌跡と奇跡』(塚原史、NTT出版、2009)
  • - 『天命反転の建築──追悼荒川修作』(河本英夫、artscape、2010)
  • - 『荒川修作+マドリン・ギンズ展』(artscape、1998)

トリビア

トリビア

  • - 公式には1995年公開だが、後年に「Reversible Destiny Office」など要素が追加されている(Reversible Destiny Foundation)。
  • - 敷地内の5つの日本地図は、縮尺の違いで身体感覚を混乱させる仕掛けとして紹介される(Reversible Destiny Foundation)。
  • - 荒川修作は「死なないための建築」を掲げたが、この地ではあえて歩きにくさを設計し、身体の再認識を促した(J-STAGE)。

外部レビュー

外部レビュー

出典

出典

R E F E R E N C E

参考リンク