異界巡礼

BIZARRE JAPAN

祭暦江波の火祭(オットーラン祭)

F E S T I V A L / FEST-264

fire

江波の火祭(オットーラン祭)

えばのひまつり(おっとーらんさい)

斎 行2026-08-11

江波の火祭(オットーラン祭)は、広島市中区江波に鎮座する衣羽(えば)神社の夏祭で、江戸時代から250年以上続くと伝わる漁師町独特の火と海の神事である。かつて江波が島だった頃、旧暦6月29日の大潮の満潮で海と陸が一つになる夜に、宮島の管絃祭に倣って始まったとされる。夕暮れ時、御座船とそれを曳航する明神丸(漕伝馬)が本川河口の江波港を巡り、船上や沿岸では焚き火(火山=ひやま)が焚かれ、漕伝馬は各火山の前で火への畏敬を込めて三度ずつ廻る。陸上では子どもたちが御座船に合わせて岸辺を歩き、一斗缶を叩いて「オットーラン(神様がお通り)」と神様の巡行を地域に知らせる。火と灯籠の明かりが闇の水辺に映える、瀬戸内の港町ならではの幻想的な夜祭。

江波の火祭(オットーラン祭)
出典: 南の風EBA(江波地区地域運営委員会)(https://ebalmo.net/culture/shrine_summer_festival/)

H I G H L I G H T S

見どころ

  • 01灯籠を灯した御座船を漕伝馬が曳く夜の海上渡御
  • 02沿岸や船上で焚かれる「火山(ひやま)」と、その前を三度廻る漕伝馬
  • 03子どもが一斗缶を叩き「オットーラン」と唱えて神の巡行を町に知らせる独特の掛け声

A C C E S S / M E T A

基本情報

所在地
広島県 広島市中区
斎行
衣羽神社
日程
2026-08-11
周期
毎年旧暦6月29日(近辺の夜)
起源
江波はかつて瀬戸内に浮かぶ島で、漁業で栄えた町だった。社伝・地元伝承によれば、オットーラン祭は江波が島だった頃、旧暦6月29日の大潮の満潮で海と陸が一つに溶け合う夜に、対岸の宮島で行われる厳島神社の管絃祭に倣って始まったとされる。海上を御座船で神を渡御させ、火を焚いて神を迎えるという所作は、海の安全と豊漁を願う漁師町の信仰に根ざす。「オットーラン」とは「お通り(神様がお通りになる)」が訛ったものと伝えられ、子どもが一斗缶を叩きながら唱えることで神の巡行を町中に告げる役割を担う。
観覧
開催は毎年旧暦6月29日近辺の夜(年により新暦の日付が変動。2026年は旧暦6月29日=概ね8月中旬。実施日は衣羽神社・江波地区の告知で要確認)。会場は衣羽神社(広島市中区江波南1-26-6)および本川河口の江波港・沿岸一帯。海上渡御は夕暮れから夜にかけて行われる。観覧は無料。焚き火(火山)や松明を用いる火祭のため、火の粉や熱に注意し安全距離を保つ。夜間・水辺での観覧となるため足元に注意。広島電鉄江波線「江波」電停下車。
最寄駅
広島電鉄江波線「江波」電停
徒歩
8分
駐車場
専用駐車場なし・祭当日は周辺道路規制あり、公共交通推奨

D E E P D I V E

深掘り

歴史

歴史

江波の火祭(オットーラン祭)は、広島市中区江波の衣羽神社の夏祭で、江戸時代から250年以上続くと伝わる。かつて江波が瀬戸内の島であった頃、旧暦6月29日の大潮の満潮で海と陸が一つになる夜に、宮島の管絃祭に倣って始まったとされる漁師町独特の神事である。御座船とそれを曳航する明神丸(漕伝馬)が本川河口の江波港を巡る海上渡御を中心とし、船上・沿岸で火を焚く火祭の性格を併せ持つ。衣羽神社の夏祭り - 南の風EBA, 広島のまつり7月 - 広島県神社庁

文化的背景

文化的背景

本祭は、海上渡御・火・子どもの一斗缶という三つの要素が組み合わさった珍しい構成を持つ。海上を御座船で神を渡し、沿岸に「火山(ひやま)」と呼ばれる焚き火を三箇所設けて漕伝馬がその前を三度ずつ廻る所作は、火への畏敬と海の神への祈りを表す。宮島の管絃祭という瀬戸内を代表する海上神事の影響を受けつつ、漁師町・江波が独自に発展させた地域祭祀である。「オットーラン」という掛け声は「お通り」の転訛と伝えられ、神の巡行を町に告知する子どもたちの役割とともに、共同体の記憶を世代へ受け渡す装置として機能している。衣羽神社の夏祭り - 南の風EBA, 衣羽神社 - 広島市

地元視点

地元視点

祭は夕暮れ時、御座船とそれを曳く漕伝馬(明神丸)が本川河口の江波港を出て海上を巡るところから本格化する。沿岸では火が焚かれ、漕伝馬が火の前を三度廻る。陸上では子どもたちが御座船の動きに合わせて岸辺を歩き、一斗缶を叩いて「オットーラン」と唱え、神様が巡ってきたことを地域に知らせる。地元・江波地区の地域運営委員会(南の風EBA)が祭の継承・記録に関わり、漁師町の伝統行事として守られている。衣羽神社の夏祭り - 南の風EBA

ベストシーズン

ベストシーズン

海上渡御と火山の焚き火が重なる日没後〜夜が最大の見どころ。灯籠を灯した御座船が漕伝馬に曳かれて水辺を進む光景は暗くなってからが映える。

撮影のコツ

撮影のコツ

灯籠を灯した御座船と漕伝馬、沿岸の焚き火(火山)を画面に収めると港町の夜祭らしさが出る。夜間・火を扱うため高感度設定が必要。水辺での三脚使用は足場と通行の妨げに注意。火の粉が舞うため機材と身体の安全距離を確保する。

注意事項

注意事項

火祭のため火の粉・熱・煙に注意し、焚き火(火山)や松明には近づきすぎない。夜間の水辺・港湾での観覧となるため、暗がりの足元・転落に十分注意する。船の動きや関係者の作業の妨げにならないよう、指定された観覧位置から見る。実施日は旧暦基準で変動するため事前確認が必須。

出典

出典