異界巡礼

BIZARRE JAPAN

祭暦祐徳稲荷神社 秋季大祭(お火たき)

F E S T I V A L / FEST-261

fire

祐徳稲荷神社 秋季大祭(お火たき)

ゆうとくいなりじんじゃ しゅうきたいさい おひたき

斎 行2026-12-08

日本三大稲荷の一つに数えられる祐徳稲荷神社で、師走の夜に営まれる火の神事。秋の収穫感謝の意を込めた新嘗祭の系譜に連なる行事で、宮司が祝詞を奏上したのち、神前の浄火を松明に移し、境内に組み上げた木々を青竹で囲んだ「お山」に点火する。乾いた青竹が爆ぜながら一気に燃え上がり、高さ十数メートルに達する御神火の柱が夜空を焦がす。火にあたると一年の罪穢れが祓われ、無病息災が得られると信じられ、その場に立てない者は肌着や写真を代理人に翳してもらい、消し炭を持ち帰る慣わしも残る。約350年続くとされ、新米で醸した甘酒が参拝者にふるまわれるのも特徴である。

祐徳稲荷神社 秋季大祭(お火たき)
出典: 鹿島市観光協会(https://saga-kashima-kankou.com/feature/5859)※掲載許諾申請中

H I G H L I G H T S

見どころ

  • 01青竹が爆ぜながら一気に燃え上がる、高さ十数メートルの御神火の柱
  • 02浄火を松明に移し「お山」へ点火する宮司の所作と荘厳な炎
  • 03火にあたって罪穢れを祓い、消し炭を持ち帰る民俗的な火の信仰
  • 04炎を取り巻く参拝者と、新米で醸した甘酒のふるまい

A C C E S S / M E T A

基本情報

所在地
佐賀県 鹿島市
斎行
祐徳稲荷神社
日程
2026-12-08
周期
毎年12月8日固定(日没から夜にかけて)
起源
祐徳稲荷神社は貞享4年(1687年)、肥前鹿島藩主夫人・萬子媛が朝廷の勅願所であった稲荷大神の分霊を勧請して創建したと伝わる稲荷信仰の大社である。お火たきは、春の祈年祭に対する秋の収穫感謝の祭祀に連なる火の神事で、山から田へ降りて稲を実らせた神霊に感謝し、その働きを終えて再び山へ昇っていただくための「火送り」の意味を担うとされる。あわせて、一年でもっとも日の弱まる師走に火を焚き、太陽の復活と新春の到来を願う冬至前後の火祭りの性格も色濃い。新嘗祭の夜の行事として位置づけられ、約350年にわたり受け継がれてきた。
観覧
毎年12月8日、日没後から夜にかけて境内で執り行われる。観覧は無料。火柱が高く立ち上がるため、火の粉や煙、風向きに注意し、火元からは一定の距離を取ること。冬の夜間で冷え込むため防寒は必須。JR肥前鹿島駅からバス約10分・タクシー約10分、長崎自動車道武雄北方ICまたは嬉野ICから車で約35分。大型駐車場あり。点火後は混雑するため早めの到着が安心。
最寄駅
JR長崎本線「肥前鹿島駅」
駐車場
無料大型駐車場あり(普通車約3000台規模)。お火たき当日夜間は混雑。

D E E P D I V E

深掘り

歴史

歴史

祐徳稲荷神社は、貞享4年(1687年)に肥前鹿島藩主・鍋島直朝の夫人である萬子媛が、京都・稲荷大神の御分霊を勧請して創建したと伝えられる稲荷信仰の大社で、衣食住・産業の守護神として崇敬を集めてきた。祐徳稲荷神社公式。お火たきは秋季大祭に連なる師走の火の神事で、公式の説明によれば、春の祈年祭に相対する秋の祭として「山から田へお降り願った神霊に、秋の収穫と共にその働きを終え、再び山へお昇り願う為の感謝の祭」と位置づけられ、あわせて冬至前後の太陽の復活と春の到来を願う信仰が込められている。祐徳稲荷神社公式・年中行事。鹿島市観光協会の記録では、毎年12月8日の日没から夜にかけて行われ、神前の浄火を松明に移して境内の「お山」に点火し、十数メートルの火柱が立ち上がる様子が伝えられている。鹿島市観光協会

文化的背景

文化的背景

お火たきは、稲作儀礼における「火」と「収穫」「再生」の連関を可視化した火祭りとして理解できる。山の神(田の神)が秋に山へ還るのを火で送り、同時に一年でもっとも陽の弱まる師走に大火を焚いて太陽の復活を祈る点で、新嘗祭と冬至の火祭りの性格が重なる。祐徳稲荷神社公式・年中行事。火にあたって罪穢れを祓い無病息災を願う、消し炭を持ち帰るといった習俗は、火を浄化と更新の媒体ととらえる日本の民俗信仰に広く共通する観念であり、稲荷信仰の大社で大規模に営まれる点に特色がある。鹿島市観光協会

地元視点

地元視点

鹿島市にとって祐徳稲荷神社は年間数百万人が訪れる屈指の観光・信仰の拠点であり、お火たきは歳末の風物詩として地域に根づいている。鹿島市は観光情報として本行事を公式に紹介し、約350年続く師走の伝統行事として位置づけている。鹿島市公式・観光。新米で醸した甘酒が参拝者にふるまわれるなど、収穫感謝の地域共同体的な側面も保たれており、観光化しつつも氏子・崇敬者によって支えられている。佐賀県観光連盟 あそぼーさが

ベストシーズン

ベストシーズン

毎年12月8日、日没後から点火・火柱が最も高く上がる時間帯(おおむね夜)が見どころ。混雑前に明るいうちに到着し、参道や境内の位置取りを確保しておくとよい。

撮影のコツ

撮影のコツ

火柱が立ち上がる瞬間を縦構図で捉えると迫力が出る。火の粉が舞うため広角で炎と参拝者を入れると規模感が伝わる。夜間・高コントラストの被写体なので露出は炎に合わせ、三脚使用時も通路や参拝者を塞がないこと。神事中は係員の指示と立入制限に従う。

注意事項

注意事項

大規模な火を扱う夜間の神事のため、火元には近づきすぎず、火の粉・煙・風向きに常に注意する。子ども連れは特に火元から距離を取る。防寒対策を十分に。撮影は神事や参拝者の妨げにならないよう配慮し、フラッシュや無断の接写は控える。

出典

出典