異界巡礼

BIZARRE JAPAN

祭暦射和祇園まつり(天王さん)

F E S T I V A L / FEST-245

土俗・奇祭

射和祇園まつり(天王さん)

いざわぎおんまつり

斎 行2026-07-112026-07-12

三重県松阪市射和町に300年以上伝わる祇園祭で、地元では「天王さん」とも呼ばれる。水銀から作る化粧白粉「射和軽粉(いざわはらや)」で巨富を築いた豪商たちが、江戸・京へ進出する過程で京都の祇園祭を取り入れ、元禄期(1688〜1704)から盛んになったと伝わる。祭り組は樫井・高砂・三国・八雲・素鳥・宮本の6組で、各組が幟と大小あわせて12基の屋台を擁する。伊佐和神社での神事のあと2基の神輿が町を巡行し、宵宮では提灯を灯した大屋台が祇園囃子を奏でながら旧街道の町並みを練る。本日夜には高張り提灯に囲まれた神輿と灯りをともした小屋台が暗闇を巡行し、担ぎ手の「横ゆすり」「縦ゆすり」が最大の見せ場となる。三重県の無形民俗文化財。

射和祇園まつり 神輿(屋根の意匠)
出典: 射和祇園まつり公式サイト(https://izawagionmatsuri.jp/)※掲載許諾申請中

H I G H L I G H T S

見どころ

  • 01高張り提灯に囲まれた神輿と灯りをともした小屋台が暗闇を巡行する夜の幻想的な光景
  • 02笛・太鼓・鉦の祇園囃子に合わせ、担ぎ手が見せる神輿の「横ゆすり」「縦ゆすり」
  • 03大小12基の屋台と最古1780年代製作の大屋台が旧豪商町・射和の町並みを練り歩く

A C C E S S / M E T A

基本情報

所在地
三重県 松阪市
斎行
伊佐和神社
日程
2026-07-11 〜 2026-07-12
周期
毎年7月中旬の土曜(宵宮)・日曜(本日)の2日間。※近年は秋に振り替えて開催される年もある
起源
射和町は中世以来、上流の丹生で採れた水銀を加工した化粧白粉「軽粉(はらや)」の産地として栄えた。江戸期に射和軽粉で成功した豪商たちが江戸・京都へ商圏を広げるなかで、商都・京都の祇園祭を地元に持ち帰り、元禄期(1688〜1704)から祇園祭(天王さん)として盛んになったと伝えられる。祇園信仰は疫病退散を願う牛頭天王(ごずてんのう)信仰に基づき、夏の祭礼として定着した。豪商の財力を背景に大屋台や神輿が整えられ、現存最古の大屋台は1780〜81年(安永期)の製作とされる。射和の繁栄と京文化への憧れが結びついて生まれた、町ぐるみの夏祭りである。
観覧
見どころは宵宮(土)夜の提灯を灯した大屋台の練りと、本日(日)夜8時頃の高張り提灯に囲まれた神輿巡行・神輿のゆすり。会場は伊佐和神社および射和町の旧街道一帯で、観覧は無料。櫛田川沿いに駐車スペースがあるが祭礼日は混雑するため公共交通・徒歩移動が無難。旧街道は道幅が狭く、屋台・神輿の通行時は誘導に従い無理な追い越し・割り込みをしない。夏祭りのため熱中症対策(水分・帽子)を。最新の開催日(年により7月中旬の土日/秋に振替の年あり)は射和祇園まつり公式サイトまたは松阪市の祭り暦で要確認。
最寄駅
JR紀勢本線「相可駅」または近鉄「松阪駅」からバス・車
駐車場
櫛田川沿いに駐車スペースあり(祭礼日は混雑、公共交通推奨)

D E E P D I V E

深掘り

歴史

歴史

射和祇園まつりは三重県松阪市射和町に300年以上伝わる祇園祭で、地元では「天王さん」と呼ばれる。射和町は中世以来、丹生で採れた水銀を加工した化粧白粉「軽粉(はらや・射和軽粉)」の産地として栄え、江戸期にこれで成功した豪商たちが江戸・京都へ進出する過程で京都の祇園祭を取り入れ、元禄期(1688〜1704)から盛んになったと伝わる。祭り組は樫井・高砂・三国・八雲・素鳥・宮本の6組で、各組が幟と大小あわせて12基の屋台を有する。現存最古の大屋台は1780〜81年(安永期)の製作とされ、人形装飾を施す。伊佐和神社での神事のあと2基の神輿(元禄期製作・明治期更新)が町を巡行する。県指定無形民俗文化財として平成17年(2005年)10月17日に指定された。祭りの概要(公式), 射和祇園祭の屋台行事(松阪市)

文化的背景

文化的背景

祇園祭は疫病退散を願う牛頭天王(祇園)信仰に基づく夏の祭礼で、京都・八坂神社の祇園祭が各地に伝播したものである。射和の祇園まつりは、商都・京都との交流を通じて在郷の富裕な町に都市祭礼が移植された典型例であり、軽粉という特産がもたらした経済力が大屋台や神輿という有形の祭具に結晶している。旧街道に町並みが残る射和の景観のなかで、屋台・囃子・神輿が一体となって展開する点に、近世の在郷町文化と祇園信仰が重なった豊かな文脈が見てとれる。祭りの概要(公式), 射和祇園祭の屋台行事(松阪市)

地元視点

地元視点

地元では「天王さん」の愛称で親しまれ、6つの祭り組が屋台と神輿を維持・運行する町ぐるみの行事として続いている。小屋台には子どもが乗り、世代を越えて担い手が受け継がれる。観光協会や地元商店(白子屋など)も祭りを紹介し、射和の歴史的町並みとあわせた地域の夏の風物詩として位置づけられている。射和祇園まつり(観光三重), 和洋菓子「白子屋」 射和祇園まつり

ベストシーズン

ベストシーズン

宵宮(土)夜の提灯を灯した大屋台の練りと、本日(日)夜8時頃の神輿巡行・ゆすりが最大の見せ場。夕方以降の来訪がよい。

撮影のコツ

撮影のコツ

夜の高張り提灯に囲まれた神輿と灯りをともした小屋台は、低感度では手ブレしやすいので高ISO・明るいレンズが有利。旧街道の狭い道では引きが取りにくいので縦構図や望遠での切り取りも有効。担ぎ手や見物客の通行を妨げない位置取りを。

注意事項

注意事項

旧街道は道幅が狭く、屋台・神輿通行時は誘導に従い無理な追い越しをしない。櫛田川沿いの駐車場は祭礼日に混雑するため公共交通・徒歩移動が無難。夏祭りのため熱中症対策を。最新の開催日は年により変動(7月中旬の土日/秋に振替の年あり)するので公式・松阪市の祭り暦で要確認。松阪市 祭り暦

出典

出典