F E S T I V A L / FEST-237
赤崎祭(ゆかたまつり)
あかさきまつり(ゆかたまつり)
赤崎祭は、伊勢神宮を構成する百二十五社のうち鳥羽市域に鎮座する唯一の社・赤崎神社の例祭で、毎年6月22日に営まれる。鳥羽に夏の到来を告げる祭礼として知られ、当日は浴衣姿の参拝者でにぎわうことから「ゆかたまつり」とも呼ばれる。境内へ続く石段沿いには奉納提灯が並び、参道から加茂川河口の市街地にかけて百軒を超す露店が連なって、例年八千人規模の人出でにぎわう。祭礼の最大の特徴は、宮域の杉から採った小枝(杉葉)を授かり、家の門口に吊るして疫病除けとする習わしにある。かつてこの地に疫病が流行した折、宮域の杉枝を玄関に掲げた家だけが難を逃れたという伝承に由来し、蘇民将来信仰の一変容と考えられている。神宮末社の厳かな性格と、近代的な夏祭りの娯楽性が同居する、伊勢志摩地域を代表する夏の風物詩である。

H I G H L I G H T S
見どころ
- 01石段の参道に奉納提灯が連なり、浴衣姿の参拝者が夜の社へ上っていく幻想的な光景
- 02宮域の杉の小枝(杉葉)を授かり門口に吊るす、蘇民信仰由来の疫病除けの習わし
- 03神宮末社という厳かな信仰の場に、百軒超の露店と八千人規模の人出が重なる対比
A C C E S S / M E T A
基本情報
- 所在地
- 三重県 鳥羽市
- 斎行
- 赤崎神社(伊勢神宮 豊受大神宮〈外宮〉末社)
- 日程
- 2026-06-22
- 周期
- 毎年6月22日(新暦固定)
- 起源
- 赤崎神社は外宮の末社で、祭神の荒崎姫命(あらさきひめのみこと)は、鳥羽湾の海辺から外宮へ奉る御贄(みにえ=神饌の魚介)採取を司る守り神とされる。赤崎祭で杉葉を授かる習わしの起こりは、かつてこの地方に疫病が流行した際、宮域の杉枝を家の玄関に吊るした家だけが病難を逃れたという言い伝えにある。以後、毎年の祭で杉の小枝を授かって門口に掲げ、厄病除けとする風習が今日まで続いてきた。これは牛頭天王・蘇民将来の故事にちなむ茅の輪・注連飾りの信仰と通じるものとされ、伊勢志摩における蘇民信仰の地域的な異形の一例と位置づけられている。神宮の御贄にまつわる海辺の信仰と、疫病除けの民間信仰が一つの社に重なっている点に、この祭の由来の奥行きがある。
- 観覧
- 開催は毎年6月22日で固定。会場は赤崎神社(鳥羽市鳥羽)境内と、参道から加茂川河口にかけての一帯。観覧・参拝は無料で、杉葉は当日境内入口で授与(実費)される。例年八千人規模の人出があり、夕刻から夜にかけて提灯と露店が灯ってもっとも賑わう。神社専用の駐車場はないため、鳥羽駅周辺の有料駐車場や公共交通の利用が現実的。近鉄・JR鳥羽駅、または近鉄赤崎駅が至近。境内は石段や坂道があり、雨天時は足元に注意。神宮末社の祭礼であり、参拝のマナーを守って静かに見学したい。
- 最寄駅
- 近鉄「赤崎駅」または近鉄・JR「鳥羽駅」
- 徒歩
- 10分
- 駐車場
- 神社専用駐車場なし。鳥羽駅周辺の有料駐車場を利用
D E E P D I V E
深掘り
歴史
歴史
赤崎神社は伊勢神宮豊受大神宮(外宮)の末社で、伊勢神宮を構成する百二十五社のうち三重県鳥羽市に鎮座する唯一の社である。加茂川河口付近の山崖中腹に位置し、かつては海浜にあったと伝えられる。江戸時代には舞殿があったが現存しない。祭神の荒崎姫命は鳥羽湾内の海岸から外宮へ奉納する御贄採取の守り神とされ、地元では「赤崎さん」と親しまれてきた。例祭である赤崎祭は毎年6月22日に営まれ、夏の到来を告げる鳥羽の代表的な祭礼として、浴衣姿の参拝者でにぎわう「ゆかたまつり」として定着している。赤崎神社 - Wikipedia, 赤崎神社(伊勢神宮 外宮末社)- 伊勢志摩観光ナビ
文化的背景
文化的背景
赤崎祭で杉の小枝を授かり門口に吊るす習わしは、牛頭天王・蘇民将来の故事に連なる疫病除け信仰の一変容と考えられている。茅の輪くぐりや注連飾りに通じる「家の入口に祓いの標を掲げる」という発想が、ここでは宮域の杉葉という形をとっている。神宮末社という公的・厳粛な信仰の場でありながら、御贄(神饌)を司る海辺の神格と、民間の疫病除けの実践とが重なり合う点に、伊勢志摩の在地信仰の重層性がうかがえる。露店と人出でにぎわう近代的な夏祭りの相貌と、杉葉授与という古い祓いの作法が一体となっている。赤崎神社 - Wikipedia, 赤崎神社 - 観光三重
地元視点
地元視点
鳥羽市民にとって赤崎祭は「夏の始まり」を告げる年中行事として親しまれ、当日は浴衣姿で参拝し、授かった杉葉を一年間家の注連縄や門口に飾る習わしが続く。露店は百軒以上に及び、家族連れや若者でにぎわう地域最大級の夏祭りの一つに数えられる。観光案内でも「夏の風物詩」「鳥羽に夏の到来を告げる祭り」として紹介され、地域の季節感を形づくる行事として位置づけられている。赤崎祭 - 観光三重, 赤崎まつり - いこーよとりっぷ
ベストシーズン
ベストシーズン
毎年6月22日。夕刻から夜にかけて提灯が灯り、露店と参拝客でもっとも賑わう時間帯が見頃。日中は比較的落ち着いて参拝できる。
撮影のコツ
撮影のコツ
石段の参道に連なる奉納提灯と、社へ上る浴衣姿の人波を縦構図で捉えると祭礼の情緒が出る。夜間は提灯の灯りを生かした露出設定が要点。露店の連なりや杉葉授与の様子も祭の特徴を伝える題材になる。混雑時は通行の妨げにならない位置取りを心がける。
注意事項
注意事項
神宮末社の祭礼であり、参拝のマナーを守って静かに見学する。境内は石段・坂道が多く、雨天時や夜間は足元に注意。専用駐車場がないため公共交通の利用が望ましく、路上駐車や近隣への迷惑は避ける。露店での飲食ごみは持ち帰る。
出典