異界巡礼

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祭暦蓑村の虫送り

F E S T I V A L / FEST-234

fire

蓑村の虫送り

みのむらのむしおくり

斎 行2026-07-13

三重県多気郡明和町蓑村に伝わる、火と煙で田の害虫を追い払い豊作を祈る農耕儀礼。束ねた藁に竹を差した全長約2メートルの松明を子どもから高齢者まで担ぎ、火を点けて田園の畔を列をなして練り歩く。行列の先頭では太鼓と鉦が打ち鳴らされ、男衆が法螺貝を吹く。象徴である太鼓には安永3年(1774)の寄進銘があり、240年以上にわたって継承されてきたとされる。かつては近隣各地で広く行われた虫送りだが、現在では明和町内で唯一存続する行事であり、平成26年(2014)に町指定無形民俗文化財に指定された。行列は神宮の神田跡に鎮座する宇尓神社(鳥墓神社、神庤跡)を終着点とする。

蓑村の虫送り
出典: 三重のお祭りアーカイブ みえお祭り特集(三重県教育委員会)(https://www.mie-c.ed.jp/omatsuri/festival/%E8%93%91%E6%9D%91%E8%99%AB%E9%80%81%E3%82%8A/)※掲載許諾申請中

H I G H L I G H T S

見どころ

  • 01全長約2メートルの藁松明に火を点け、燃やしながら集落の田園を練り歩く火の行列
  • 02夕暮れの薄闇に松明の炎と煙が連なる視覚的な迫力
  • 03安永3年(1774)銘の太鼓と鉦、法螺貝が先導する古式の囃子
  • 04子ども・大人・高齢者が世代を超えて松明を担ぐ地域総出の隊列

A C C E S S / M E T A

基本情報

所在地
三重県 多気郡明和町
斎行
宇尓神社(鳥墓神社/大神宮神庤跡)
日程
2026-07-13
周期
毎年7月13日(固定)
起源
虫送りは、稲につく害虫(ウンカ等)を火や音で村境の外へ「送り出す」ことで豊作と村の安寧を祈った全国的な農耕儀礼で、その背景には平安期の武将・斎藤実盛の亡霊が害虫になったとする「実盛虫」伝承が広く伴う。蓑村では、行事の象徴である太鼓に安永3年(1774)に上村の北岡源右衛門光章が蓑村の安全を願って奉納した旨が記されており、少なくとも江戸中期にはすでに営まれていたと考えられる。ここから「240年以上の歴史」と紹介される。明治期の斎宮跡(神宮の神田・神庤)に由来する宇尓神社(鳥墓神社)を終着点とする経路にも、稲作と神事が結びついた地域の信仰が反映されている。
観覧
本祭は毎年7月13日の夕刻(日暮れ前〜薄暮)に行われ、約2メートルの松明に点火して蓑村地内の田園沿いを練り歩く。集合・出発はとづか会館(蓑村集会所)周辺、終着は宇尓神社(鳥墓神社)。観覧は無料で、沿道の田の畔から見学できるが、生活道路・農道のため車の通行や農作物に配慮する。火を扱う行事のため、行列や松明には近づきすぎず、火の粉・煙に注意。専用駐車場は限られるので近隣の迷惑にならないよう配慮し、トイレ等は事前に済ませておくとよい。夏の夕方で蚊が多いため虫除けがあると快適。荒天時は中止・順延の可能性があるため、明和町への事前確認が望ましい。
最寄駅
近鉄山田線「斎宮駅」
駐車場
専用駐車場なし(とづか会館周辺・近隣に若干。路上駐車・農地進入は不可)

D E E P D I V E

深掘り

歴史

歴史

蓑村の虫送りは、稲の害虫を火と音で村外へ送り出して豊作を祈る伝統的な農耕儀礼である。起源そのものは明確でないが、行事の象徴である太鼓に「安永3(1774)年」の寄進銘があり、上村の北岡源右衛門光章が蓑村の安全を願って奉納したものと伝わることから、少なくとも江戸中期には行われていたと考えられ、「240年以上の歴史」と紹介される。蓑村虫送り/明和町, 蓑村虫送り|みえお祭り特集 かつては近隣各地で広く行われたが、農業の機械化や農薬の普及で各地で姿を消し、現在は明和町内で唯一継承される行事となっている。平成26年(2014)に明和町指定無形民俗文化財に指定され、令和の現在も子どもから高齢者まで約100人規模が参加して継続している。240年以上の伝統、豊作願う虫送り(夕刊三重)

文化的背景

文化的背景

虫送りは全国に広く分布した稲作儀礼で、害虫を「悪霊」「亡霊」になぞらえ、火・鉦・太鼓・法螺貝といった音と光で村境の外へ追い払う「送り」の構造を持つ。多くの地で平安末の武将・斎藤実盛の亡霊が稲の害虫になったとする「実盛(さねもり)」伝承を伴い、藁人形を伴うこともある。National Museum of Ethnology蔵 虫送り人形(Wikimedia Commons)_-_Nanto_City,_Toyama_Pref._-_Made_in_1978.jpg) 蓑村では松明の炎と煙、太鼓・鉦・法螺貝の囃子が中心となり、神宮の神田(神庤)跡に建つ宇尓神社(鳥墓神社)を終着点とする点に、斎宮ゆかりの地・明和町ならではの稲作と神事の結合が表れている。民俗学的には、近代化のなかで失われゆく農耕儀礼が地域共同体の手で維持されてきた稀少な事例として位置づけられる。蓑村虫送り|みえお祭り特集

地元視点

地元視点

明和町は行事を町指定無形民俗文化財として位置づけ、保存・継承を後押ししている。地元紙の報道では、子どもから高齢者まで約100人が松明を担ぎ、世代を超えて受け継がれる様子が伝えられ、無形民俗文化財指定10周年(2024)の節目には地域を挙げて実施が告知された。【明和町】無形民俗文化財指定10周年「蓑村の虫送り」を実施します!(美村Travel), 240年以上の伝統、豊作願う虫送り(夕刊三重) 担い手不足が課題となる小規模集落の行事だが、町・保存会・住民が一体となって継続しており、地域アイデンティティの核として扱われている。

ベストシーズン

ベストシーズン

毎年7月13日の夕方。日没前後(おおむね18時〜19時台)に松明へ点火するため、薄暮〜暗くなり始める時間帯が炎と煙の見映えが最も良い。明るいうちに出発地点(とづか会館付近)の準備の様子から見ておくと流れがつかめる。

撮影のコツ

撮影のコツ

松明の炎と煙が主役。薄暮の時間帯は背景の空と炎のコントラストが美しく、火が長い帯のように連なる隊列を斜め前方から狙うと迫力が出る。火の粉や煙が出るため、行列や担ぎ手には近づきすぎない。スローシャッターで炎の軌跡を流すと幻想的になるが、生活道路では通行・安全を最優先に。フラッシュは担ぎ手の妨げになるため控える。

注意事項

注意事項

火を扱う行事のため、松明・行列に近づきすぎないこと。火の粉・煙・熱に注意し、燃えやすい服装や荷物は避ける。会場は集落の生活道路・農道で、駐車スペースが限られるため近隣・農地への配慮が必須。子どもも参加する地域の行事であり、撮影時は担ぎ手や見学者のプライバシーに配慮する。夏の夕方は蚊が多いので虫除け推奨。荒天時は中止・順延の可能性があるため事前確認を。

出典

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