F E S T I V A L / FEST-223
破魔弓祭(的ばかい)
はまゆみさい(まとばかい)
約860年の歴史を持つとされる長洲町・四王子神社の荒祭。「ばかい」は当地の言葉で「奪い合う」を意味し、締込み姿の男衆が無病息災・家内安全を願って一個の「的」を激しく奪い合う。的はその年の新藁と麻で編まれた直径約60cm・重さ約6kgの円座で、お祓いを受けて神社に奉納される。神事のあと、男衆は神社の境内から路上、さらには有明海の海中へと舞台を移しながら的をもみ合い、水しぶきを上げて取り合う。近年は約100人規模の男衆が参加し、寒中の海に飛び込んでの争奪は当祭最大の見せ場となっている。

H I G H L I G H T S
見どころ
- 01新藁と麻で編んだ直径約60cm・重さ約6kgの『的』を、締込み姿の男衆約100人が奪い合う密集の迫力
- 02境内から路上、そして有明海の海中へと舞台が移り、水しぶきを上げて的を取り合う寒中の争奪
- 03勝者の手に渡った的が無病息災・家内安全の縁起物となる、勝敗が信仰に直結する構図
A C C E S S / M E T A
基本情報
- 所在地
- 熊本県 玉名郡長洲町
- 斎行
- 四王子神社
- 日程
- 2026-01-18
- 周期
- 毎年1月の第3日曜日
- 起源
- 四王子神社は長洲町の総鎮守とされ、約860年の歴史を持つと伝えられる。破魔弓祭(的ばかい)の起源は、安土・桃山時代(一説に室町時代)に、氏子たちがご利益や幸福を得ようとご神体を安置した円座(的)を競って奪い合ったことに始まると言い伝えられている。以後、その年の新藁と麻で円座状の的を編み、お祓いののち神社に奉納し、男衆が奪い合う神事として受け継がれてきた。奪い合いの末に的を手にすることが無病息災・家内安全の縁起とされ、長洲町の正月を彩る伝統行事として今日まで継承されている。
- 観覧
- 毎年1月の第3日曜日(2026年は1月18日)に四王子神社とその周辺・長洲海岸で行われる。境内・路上での奪い合いに続き、有明海の海中へ突入する争奪が最大の見どころ。海岸では麻布が敷かれ、観覧は堤防など安全圏から行うのが望ましい。締込み姿の男衆が激しくぶつかり合うため、争奪の進路には立ち入らないこと。1月の寒中・海岸沿いで冷え込むため防寒対策を。最寄りはJR鹿児島本線・長洲駅で、神社・海岸へは徒歩圏内。混雑するため時間に余裕をもって。
- 最寄駅
- JR鹿児島本線「長洲駅」
- 徒歩
- 11分
- 駐車場
- 周辺に臨時駐車場が設けられる場合あり(当日の案内に従う)
D E E P D I V E
深掘り
歴史
歴史
破魔弓祭(通称・的ばかい)は、熊本県玉名郡長洲町長洲の四王子神社で毎年1月の第3日曜日に行われる神事である。四王子神社は長洲町の総鎮守とされ、約860年の歴史を持つと伝えられる。「ばかい」は当地で『奪い合う』を意味し、締込み姿の男衆が無病息災・家内安全を願って一個の『的』を奪い合う。的はその年の新藁と麻で編んだ直径約60cm・重さ約6kgの円座で、お祓いを受けて神社へ奉納される。神事のあと、男衆は境内から路上、そして有明海の海中へと舞台を移しながら的を激しく取り合う。2026年は1月18日に開催され、報道によれば締込み姿の男衆約100人が体をぶつけ合い見物客を沸かせた。まつりとりっぷ・的ばかい, 熊本朝日放送(KAB)報道, まちむら交流きこう・破魔弓祭
文化的背景
文化的背景
縁起物を奪い合うことで福を得るという『争奪型』の神事は、各地の裸祭・玉せせり・宝木(しんぎ)争奪などに広く見られる類型で、的ばかいもその系譜に位置づけられる。新藁と麻という当年の収穫物で編んだ的を奉納し、男衆が裸に近い締込み姿で争うことには、年初に共同体の無病息災・豊穣・家内安全を祈願する正月行事としての性格が色濃い。境内から路上、さらに有明海へと舞台が拡張していく点は、神域から日常空間・海へと祈りの場が広がる構造を持ち、干潟と漁業に支えられた有明海沿岸の土地柄とも結びつく。寒中の海中争奪という身体性の強さが、当祭を九州を代表する荒祭の一つとして知らしめている。まつりとりっぷ・的ばかい, 九州TV・的ばかい
地元視点
地元視点
長洲町は本祭を町の伝統行事として広報し、毎年の開催を町内外に発信している。約860年の歴史を掲げる総鎮守の神事として地域の正月の象徴であり、男衆として参加する氏子・若衆にとっては、的を手にすることが一年の無病息災・家内安全を担う名誉とされる。近年は約100人規模で行われ、有明海での争奪を一目見ようと多くの見物客が集まる。観光面では花手水で知られる四王子神社の魅力とあわせて、長洲町の冬の見どころとして位置づけられている。長洲町公式サイト, 熊本朝日放送(KAB)報道
ベストシーズン
ベストシーズン
毎年1月の第3日曜日(2026年は1月18日)。神事ののち境内・路上での奪い合いを経て、有明海へ突入する海中争奪がクライマックス。海中の場面に合わせて長洲海岸に出ると最大の見せ場を押さえられる。干潮・潮位で海岸の様子が変わるため、当日の進行は現地の案内に従う。
撮影のコツ
撮影のコツ
海中での争奪は水しぶきと密集が画になるが、観覧は堤防など安全圏から望遠で。男衆の進路に立ち入らない。寒中・海辺で機材が潮と水しぶきにさらされるため、防滴対策とレンズの拭き取り用品を用意する。境内・路上の奪い合いは逆光になりやすいので露出に注意。
注意事項
注意事項
締込み姿の男衆約100人が激しくぶつかり合い、的とともに移動するため、争奪の進路や海岸際には立ち入らない。1月の寒中・海岸沿いは冷え込むため防寒を。海中争奪は冷水・転倒の危険があり、観覧者は海に入らず堤防など安全圏から見ること。混雑するため小さな子ども連れは特に注意し、現地スタッフ・町の案内に従う。
出典