F E S T I V A L / FEST-207
小鹿田焼 唐臼祭
おんたやき からうすまつり
大分県日田市の山間に位置する小鹿田焼(おんたやき)の里・源栄町皿山で、毎年5月3日〜4日に開かれる年に一度の陶器市。10軒(近年は9軒)の窯元が、この日のために焼き上げたばかりの器を工房や軒先、物置にぎっしりと並べて展示即売する。集落の谷川には陶土を砕く水力の「唐臼(からうす)」が点在し、「ギィ」「ドン」という音が一日中谷に響く。この唐臼の音は『日本の音風景100選』にも選ばれており、里全体が祭場となる。秋の盛大な『民陶祭』に対し、5月の唐臼祭は新緑のなかで里の暮らしと作陶の現場を間近に味わえる、より素朴な機会として知られる。1705年(宝永2年)開窯とされ、技術は一子相伝で受け継がれ、小鹿田焼の製陶技術は国の重要無形文化財に指定されている。

H I G H L I G H T S
見どころ
- 01谷川の水力で陶土を砕く「唐臼」が並び、一日中『日本の音風景100選』の音が響く
- 0210軒(近年9軒)の窯元が窯出し直後の器を軒先・工房・物置に山積みで即売
- 03飛び鉋(とびかんな)・刷毛目・打ち掛けなど小鹿田焼独特の文様を産地で直接購入できる
- 04新緑の山あいの集落そのものが祭場になる素朴な里の風景
A C C E S S / M E T A
基本情報
- 所在地
- 大分県 日田市
- 斎行
- 小鹿田焼の里(源栄町皿山)
- 日程
- 2026-05-03 〜 2026-05-04
- 周期
- 毎年5月3日〜4日(固定)
- 起源
- 小鹿田焼は1705年(宝永2年、一説に元文年間)、筑前の小石原焼の陶工を招いて開窯したと伝えられ、以来、代々長子相続で技術を伝え弟子を取らない「一子相伝」によって守られてきた。陶土は谷川の水力で動く唐臼で砕き、登り窯で焼くという、機械化以前の製法を今に残す。こうした産地のあり方は1995年(平成7年)に「小鹿田焼の製陶技術」として国の重要無形文化財に指定され、里の文化的景観も評価されている。唐臼祭・民陶祭は、年に一度(春と秋)、窯元が窯出ししたばかりの器を里で直接販売し、作り手と使い手が出会う場として続けられてきた行事である。
- 観覧
- 開催は毎年5月3日〜4日。会場は日田市源栄町皿山の小鹿田焼の里一帯で、集落の端から端まで歩いて10分ほどの小さな里。器の展示即売は各窯元の軒先・工房・物置で行われ、見学は自由。器の購入は現金が安心。山間部のため当日は道路・駐車場の混雑が必至で、臨時駐車場やリムジンバス(シャトル)の利用が推奨される。坂道や砂利・粉の積もった作業場周りを歩くため歩きやすい靴がよい。唐臼や登り窯、作業場は生活・生産の現場でもあるので、立入禁止や撮影の可否など各窯元の表示・指示に従うこと。
- 最寄駅
- JR久大本線「日田駅」(里へは車・バスで約30〜40分)
- 徒歩
- 0分
- 駐車場
- 里周辺・臨時駐車場あり(当日は大変混雑。リムジンバス/シャトル利用推奨)
D E E P D I V E
深掘り
歴史
歴史
文化的背景
文化的背景
唐臼祭は「祭」と名はつくものの神事的な要素は薄く、産地で作り手が一年に一度直接器を売り、使い手と出会う「市」の性格が強い民俗的行事である。大分県が紹介するように、谷川の水力で陶土を砕く唐臼の「ギィ」「ドン」という音は『日本の音風景100選』に選ばれ、製陶の工程そのものが里の景観・音風景として価値づけられている。柳宗悦らの民藝運動やバーナード・リーチの来訪を通じて「世界一の民陶」とも評された小鹿田焼の文脈の中で、唐臼祭は機械化以前のものづくりが生きて続いている現場を一般に開く機会となっている。
地元視点
地元視点
ベストシーズン
ベストシーズン
本祭の5月3日〜4日。新緑が美しく、午前中の早い時間帯のほうが人出・駐車場の混雑が比較的穏やかで、器の品揃えも豊富。唐臼の音は終日聞こえる。
撮影のコツ
撮影のコツ
珍ポイントは唐臼(水力の杵)が陶土を搗く瞬間。杵が臼へ落ちる動きと水路を一緒に収めると里の製法が伝わる。器を山積みにした窯元の軒先、登り窯、飛び鉋・刷毛目の文様アップも産地らしい。作業場は粉や水で足元が滑りやすく薄暗いため、明るいレンズや手ブレ対策があるとよい。私有の工房・作業場の撮影は各窯元の表示に従う。
注意事項
注意事項
唐臼・登り窯・作業場は生活と生産の現場であり、立入禁止や撮影不可の表示に従うこと。坂道・砂利・粉の積もった足元に注意。山間部で携帯電波が弱い場所もあり、当日は道路・駐車場が大変混雑するため、臨時駐車場やリムジンバス(シャトル)を利用するのが無難。器は割れ物なので持ち帰りの梱包・運搬に配慮を。
出典