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祭暦圓教寺 修正会 鬼追い会式

F E S T I V A L / FEST-198

fire

圓教寺 修正会 鬼追い会式

えんぎょうじ しゅしょうえ おにおいえしき

斎 行2026-01-18

鬼追い会式は、書写山の山上に伽藍を構える天台宗別格本山・圓教寺で、正月の修正会の結願として営まれる追儺行事である。開山・性空上人に仕えたと伝わる二童子、護法童子を化身とする赤鬼(毘沙門天の化身・若天)と青鬼(不動明王の化身・乙天)が、松明・剣・鉾などを手に摩尼殿の堂内を踏み鳴らし、邪気を祓い五穀豊穣を祈る「鬼踊り」を奉納する。一般の追儺で鬼が祓われる側であるのに対し、ここでは鬼が仏法の守護者として人々を災いから守るという、逆転した鬼観が特徴である。山上の古刹に薄暗く立ちこめる堂内で、極彩色の面をつけた二鬼が松明の火と煙のなかを舞う光景は、千年来の天台修正会の姿を今に伝える。

圓教寺 修正会 鬼追い会式
出典: 姫路市(https://www.city.himeji.lg.jp/kanko/0000002085.html)※掲載許諾申請中

H I G H L I G H T S

見どころ

  • 01毘沙門天の化身・赤鬼(若天)と不動明王の化身・青鬼(乙天)が松明を手に堂内で舞う「鬼踊り」
  • 02鬼が祓われる側ではなく仏法の守護者として邪気を祓う、逆転した鬼観
  • 03山上の摩尼殿に立ちこめる煙と松明の火、極彩色の鬼面が織りなす荘厳かつ幻想的な空間

A C C E S S / M E T A

基本情報

所在地
兵庫県 姫路市
斎行
書寫山圓教寺(天台宗別格本山、摩尼殿)
日程
2026-01-18
周期
毎年1月18日(午後1時ごろ〜)
起源
圓教寺は康保3年(966年)、性空上人の開山と伝えられる西国三十三所第27番札所で、「西の比叡山」とも称される天台の名刹である。鬼追い会式は、正月に修する修正会(しゅしょうえ)の最終日・結願の追儺行事として古くから行われ、室町時代以来1000年以上続くとされる。登場する赤鬼・青鬼は、性空上人に仕えたと伝わる護法童子の若天(わかてん)・乙天(おとてん)を化身としたもので、それぞれ毘沙門天・不動明王の化身とされる。赤鬼は鉾や宝珠・鈴・松明を、青鬼は剣を手に、堂内を相撲の四股のように踏み鳴らして大地を清め、邪気を祓い五穀豊穣を祈る。鬼を祓いの主体とする点に、天台密教における護法善神信仰の独特な展開がうかがえる。姫路市の指定無形民俗文化財。
観覧
本祭は毎年1月18日。午後1時ごろから摩尼殿で読経・法要が行われ、その後に赤鬼・青鬼の鬼踊りが奉納される(白山権現から摩尼殿へという順で進む年もある)。会場は書写山の山上で、ふもとから書写山ロープウェイで登り、さらに参道を歩く必要がある(山上は冬季は冷え込み積雪・凍結の可能性あり、足元に注意)。摩尼殿は懸造の堂で、人気の行事のため周辺は混雑する。松明の火の粉が飛ぶことがあるため、堂内・堂前では係員の指示に従い譲り合って見物すること。最新の時間・進行は圓教寺または姫路市観光で確認を。
最寄駅
JR・山陽電鉄「姫路駅」→バス「書写ロープウェイ」→書写山ロープウェイで山上へ
徒歩
20分
駐車場
ロープウェイ山麓駅に駐車場あり(祭礼当日は混雑)

D E E P D I V E

深掘り

歴史

歴史

圓教寺は康保3年(966年)に性空上人が開いたと伝わる天台宗別格本山で、西国三十三所第27番札所、「西の比叡山」とも称される(圓教寺 (姫路市) - Wikipedia))。鬼追い会式は、正月の修正会の結願に営まれる追儺行事で、姫路市の案内によれば室町時代以来1000年以上続く伝統行事とされる(姫路市『書写山圓教寺鬼追い会式』)。毎年1月18日午後1時ごろ、摩尼殿で約25人の僧による観音供の法要が営まれたのち、赤鬼(毘沙門天の化身・若天)と青鬼(不動明王の化身・乙天)が登場し、松明を掲げ鈴を鳴らし、堂内を踏み鳴らして邪気を祓う鬼踊りを奉納する。摩尼殿は大正10年の焼失後、昭和8年に再建された懸造の観音堂である(圓教寺 (姫路市) - Wikipedia))。

文化的背景

文化的背景

鬼追い会式の最大の特徴は、鬼が祓われる側ではなく、仏法の守護者として邪気を祓う側に置かれている点にある。赤鬼・青鬼は性空上人に仕えたと伝わる護法童子・若天と乙天の化身で、それぞれ毘沙門天・不動明王という天部・明王の力を体現する(姫路市)。一般的な節分追儺では鬼は退治される悪役だが、ここでは護法善神信仰のもと、鬼の威力こそが災厄を打ち払う力として尊ばれる。堂内を四股のように踏み鳴らす所作は大地を鎮め清める反閇(へんばい)に通じ、五穀豊穣の祈願ともつながる。天台密教の護法思想と、年頭に一年の安穏を祈る修正会の枠組みが重なった、宗教史的に貴重な行事である(ひめのみち特集)。

地元視点

地元視点

姫路市は鬼追い会式を「千年以上続く伝統行事」として観光・文化の両面で発信し、一般の見学も可能な行事として案内している(姫路市, ひめのみち特集)。書写山は映画のロケ地としても知られる景勝地で、ロープウェイで登る山上伽藍の荘厳さと合わせて、正月の風物詩として地元・観光客双方に親しまれている。摩尼殿という限られた空間で間近に鬼踊りを見られる希少さから、毎年多くの参拝者・見物客が訪れる。

ベストシーズン

ベストシーズン

本祭の1月18日、午後1時ごろの法要から、その後の赤鬼・青鬼の鬼踊り奉納の時間帯が最大の見どころ。冬の山上で堂内が薄暗く、松明の火が映える夕方寄りの時間帯ほど幻想性が増す。

撮影のコツ

撮影のコツ

薄暗い摩尼殿の堂内で、松明の炎と極彩色の鬼面・装束のコントラストを狙うのが定番。低照度のため明るいレンズ・高感度設定が有効。煙が立ちこめると幻想的になるが、火の粉やフラッシュは行事の妨げになるため厳禁。鬼が四股を踏む動きの瞬間を捉えると躍動感が出る。

注意事項

注意事項

山上のため冬季は冷え込み、積雪・路面凍結の可能性があり、防寒と滑りにくい靴が必須。ロープウェイと参道歩きで時間に余裕を。松明の火の粉が飛ぶことがあり、堂内・堂前は混雑するので係員の指示に従い譲り合うこと。宗教行事であり見世物ではないため、フラッシュ撮影や進行を妨げる行為は慎む。

出典

出典