F E S T I V A L / FEST-190
ガウンガウン祭
がうんがうんまつり
鹿児島県いちき串木野市野元の深田神社に伝わる春の予祝芸能で、正式名称は「深田神社春祭に伴う芸能(田打)」。昭和37年に鹿児島県の無形民俗文化財に指定されている。神事のあと、社殿前の境内を田に見立て、テチョ(父親・長者)と太郎・次郎の兄弟、そして牛役に扮した男たちが、水入れから代掻き・田植えに至る一年の稲作の所作を、定まった台詞のない即興のやりとりで滑稽に演じる。テチョが牛とともに大きな木の股(馬鍬を模した農具)を引いて田を耕す所作が中心で、その際に発せられる「ガウンガウン」という掛け声が祭の通称の由来とされる。「ガウ」は牛、あるいは草を意味する言葉に由来するとも伝えられる。演者と見物人が一体となって笑いの起こる、田打ち芸能特有のおおらかな雰囲気を今に伝える行事である。

H I G H L I G H T S
見どころ
- 01牛の面・角と藁飾り、白い装束を身につけたテチョ(父親役)の異形の扮装
- 02大きな木の股(馬鍬を模した農具)を牛とともに引いて田を耕す田打ちの所作
- 03「ガウンガウン」の掛け声と、台詞のない即興でおもしろおかしく進む稲作劇
- 04テチョが子どもたちを追い回すなど、演者と観客が一体になって笑いが起こる場面
A C C E S S / M E T A
基本情報
- 所在地
- 鹿児島県 いちき串木野市
- 斎行
- 深田神社
- 日程
- 2026-03-15
- 周期
- 毎年 旧暦2月2日に近い日曜(近年は3月上旬〜中旬の日曜、午後)
- 起源
- 深田神社は深田川上流に祀られたのが始まりと伝わり、約300年前の大洪水で社殿が流失した後に現在地へ遷座したとされる古社で、彦火火出見命と菅原道真公を祀る。ガウンガウン祭は、この神社の春祭(旧暦2月2日)に併せて奉納されてきた田打ち(田打ち芸・農耕予祝)の芸能で、稲作の一年を模擬的に演じることで豊作と家内安全を祈願する古い農耕儀礼に根ざす。テチョ・太郎・次郎・牛という配役と、木の股で田を耕しながら発する「ガウンガウン」の掛け声がこの地に固有の形として定着し、昭和37年10月24日に県の無形民俗文化財に指定された。
- 観覧
- 会場は深田神社(いちき串木野市野元20967)の境内。開催は旧暦2月2日に近い日曜の午後で、近年は3月上旬〜中旬の日曜の午後2時頃から行われている(2025年は3月2日午後に実施)。観覧は無料で、境内で間近に見られる。少雨決行。屋外の田んぼに見立てた地面での所作のため、3月上旬はまだ冷え込むので防寒を。テチョが見物人や子どもを追う場面があり、最前列では泥はねや接触に注意。【重要:2026年の具体的な開催日は本稿作成時点で市公式に未掲示。CSV由来の2026-03-15は暫定値で、最終的にはいちき串木野市社会教育課(0996-21-5113)への確認が必要。】
- 最寄駅
- JR鹿児島本線「串木野駅」
- 徒歩
- 26分
- 駐車場
- 境内・周辺に臨時駐車スペースあり(台数限定。詳細は市社会教育課へ要確認)
D E E P D I V E
深掘り
歴史
歴史
文化的背景
文化的背景
地元視点
地元視点
「ガウンガウン」という祭名の由来は、テチョが牛とともに木の股を引いて田を耕す所作の際に発する掛け声にあるとされ、旅行記録などでは「ガウ」が牛あるいは草を意味する語に由来するとも伝えられている。washimo(旅行記) 地元では春の訪れを告げる行事として親しまれ、テチョが子どもたちを追い回す場面など、見物する地域の人々も巻き込んで境内が笑いに包まれる。鹿児島大学総合研究博物館も現地調査の対象とするなど、学術的にも注目される民俗芸能である。鹿児島大学総合研究博物館ブログ
ベストシーズン
ベストシーズン
本祭当日の午後(近年は3月上旬〜中旬の日曜、午後2時頃開始)。神事の後にテチョが登場して田打ちの所作に入るため、その時間帯を逃さないようにしたい。
撮影のコツ
撮影のコツ
テチョの牛面・角・藁飾りの異形の扮装と、木の股を引く田打ちの所作が見どころ。境内(屋外)での所作のため自然光で撮りやすい。背景に深田神社の鳥居や見物の人垣を入れると場の雰囲気が伝わる。テチョが動き回るので、望遠よりも標準域で動きを追うと臨場感が出る。最前列では泥はねに注意。
注意事項
注意事項
屋外の地面を田に見立てて行うため足元が悪くなることがあり、歩きやすい靴が望ましい。3月上旬はまだ寒いので防寒を。テチョが見物人や子どもを追う演出があり、接触・泥はねが起こりうるので小さな子ども連れは距離に配慮を。少雨決行だが、悪天時の対応や2026年の正確な開催日は事前にいちき串木野市社会教育課文化振興係(0996-21-5113)へ確認すること。
出典