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祭暦鯨回向(くじらえこう)

F E S T I V A L / FEST-158

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鯨回向(くじらえこう)

くじらえこう

斎 行2026-04-25

山口県長門市通(かよい)地区で継承される古式捕鯨文化由来の鯨供養法要。向岸寺・通捕鯨保存会が主催し、近世通浦の鯨組が捕獲した鯨に戒名を授け過去帖に記載した『鯨鯢過去帖』と、母鯨の胎内から取り出した鯨胎児を埋葬した青海島鯨墓を中心に、鯨に対する仏教的回向を行う海洋生物供養の継承行事。鯨墓と鯨鯢過去帖は山口県指定史跡。

N O P H O T O

H I G H L I G H T S

見どころ

  • 01山口県指定史跡『青海島鯨墓』『鯨鯢過去帖』
  • 02近世通浦の鯨組が始めた鯨胎児埋葬墓
  • 03鯨に戒名を授ける『鯨鯢過去帖』の伝承
  • 04向岸寺と通捕鯨保存会による継承法要
  • 05海洋生物供養の現存する代表例

A C C E S S / M E T A

基本情報

所在地
山口県 長門市
斎行
向岸寺・青海島鯨墓(山口県長門市通)
日程
2026-04-25
周期
毎年4月頃(向岸寺・通捕鯨保存会主催)
起源
近世通浦は西海捕鯨業の拠点として栄え、捕獲した母鯨の胎内から取り出された鯨胎児を哀れんだ鯨組頭・池本市左衛門の発願により、寛永年間以降向岸寺墓地に鯨胎児墓(青海島鯨墓)が築かれた。同時に向岸寺住職が捕獲鯨に戒名を授け『鯨鯢過去帖』として記録に残し、捕鯨で命を奪った鯨を仏教的に弔う供養体制が成立した。現在は向岸寺・通捕鯨保存会により鯨回向法要として継承されている。
観覧
向岸寺墓地内の鯨墓は静謐な仏教墓地・史跡のため、法要中の見学は読経の妨げにならない位置から。鯨墓・墓石への接触は禁止。捕鯨の是非は現代倫理上の論点を含むが、本行事は近世捕鯨文化の供養儀礼として継承されている文脈で理解。当年法要日程は長門市・向岸寺で要事前確認。

D E E P D I V E

深掘り

歴史

歴史

近世通浦の鯨組が母鯨の胎内から取り出された鯨胎児を埋葬するために築いた青海島鯨墓と、捕獲鯨に戒名を授け記録した『鯨鯢過去帖』を中心とする鯨供養伝承で、両者とも山口県指定史跡。向岸寺・通捕鯨保存会による鯨回向法要として現代まで継承されている。

文化的背景

文化的背景

鯨に戒名を授ける『鯨鯢過去帖』の伝承は世界的にも稀少で、人間と動物の境界を仏教的供養により架橋する近世捕鯨文化の倫理的応答として、宗教史・捕鯨研究・動物倫理の交差領域で論じられてきた。三重・富田の鯨船祭り(fest-040)や梶賀ハラソ祭り(fest-049)が捕鯨の再現を主軸とするのに対し、鯨回向は捕鯨の倫理的・宗教的応答を主軸とする点で対照的。

地元視点

地元視点

向岸寺・通捕鯨保存会が法要・墓所維持・記録継承を担い、通地区の住民により近世捕鯨文化の遺産として継承されている。観光化は限定的で、地域の歴史記憶と仏教的供養の場として営まれる。

関連作品

関連作品

  • 『鯨鯢過去帖』(向岸寺所蔵・山口県指定史跡)